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マンション大規模修繕に伴う階段工事|確認申請が必要になる条件・内容を解説

大規模修繕の機会に、マンションやアパートの外階段を交換、修理を検討している方もいるでしょう。

マンションやアパートの外階段は雨風にさらされるため、鉄骨材は劣化しやすく、状態が悪化すると危険です。

そこで、大規模修繕で外階段を修理もしくは交換すべき理由、費用相場を紹介します。

大規模修繕の階段工事の確認申請は不要

マンションの大規模修繕で共用階段が工事範囲に含まれる場合、確認申請は必要なのかと疑問に思う方もいるでしょう。

しかし、一般的な大規模修繕に伴う共用階段の修繕工事では、確認申請を提出する必要はありません。

確認申請が必要なのは、「共用階段の半分以上について、建物の構造に影響を及ぼすような修繕やリフォームが必要な場合」に限られます。

つまり、共用階段の劣化や傷を補修するための部分的、表面的な修繕工事については、確認申請書を提出する必要はありません。

確認申請が必要な建設工事の種類

確認申請が必要な建築工事の種類は、建築基準法の第六条「建築物の建築等に関する申請及び確認」の中で定められています。

  • 1号建築物

 特殊建築物でその用途に供する床面積の合計が100㎡を超えるもの

  • 2号建築物

 木造の建築物で3階以上、または延べ面積が500㎡、高さ13mもしくは軒の高さ9mを超えるもの

  • 3号建築物

 木造以外の建築物で2階以上、または延べ面積が200㎡を超えるもの

  • 4号建築物

 第1号~第3号以外の建築物のほか、都市計画区域もしくは景観法などで指定された区域内の建築物

上記の1〜4号建築物は、新たに建設する際に確認申請を提出する必要があると定められています。

この中でも1〜3号建築物は、大規模修繕の際にも確認申請の提出が義務となっています。

4号建築物の大規模修繕では確認申請は不要

先ほども触れたように、大規模修繕の際にも確認申請の提出が義務付けされているのは、1〜3号建築物です。

4号建築物に関しては、大規模修繕を行う場合の確認申請の提出は必要ありません。

4号建築物の条件は、以下の通りです。

  • 100㎡以下の特殊建築物でその用途に供する建物
  • 木造2階建て以下、かつ延べ床面積500㎡以下、かつ高さ13m以下、かつ軒の高さ9m以下
  • 木造以外で平屋建て以下、かつ延べ床面積200㎡以下

4号建築物の条件は、1〜3号建築物の規模よりも小さい建物だと考えることもできます。

建築基準法で確認申請が必要だと定められているのは「1〜3号建築物に対しての大規模の修繕・模様替」であるため、4号建築物の大規模修繕の際には確認申請が不要です。

大規模修繕の確認申請が必要な定義と条件

大規模修繕で確認申請が必要になる定義は、「1〜3号建築物の大規模の修繕・模様替」です。

この中でも、建築基準法では大規模の修繕・模様替の定義としてさらに以下のものが定められています。

  • 大規模の修繕

 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。

  • 大規模の模様替

 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替をいう。

主要構造部とは、建物の中でも「壁・柱・床・はり・屋根又は階段」のことです。

主要構造部から除外される部分としては、仕切り壁・付け柱・最下階の床・小梁・屋外階段などがあります。

修繕とは、建築当初と同じ材料や形状のものを使用して元に戻す、原状回復の工事のことです。

模様替とは、建築当初や工事前とは違う材料を使用して、建物の構造・規模・機能が変わらない範囲で改良する工事のことです。

つまり、以上のような部位に対して行う修繕や模様替えを建物の半分以上の範囲に対して行うことが、確認申請が必要な条件となります。

共用階段の修繕工事

ここでは、マンションやアパートの共用部分にある階段に対して実施する修繕工事について、詳しく紹介します。

2つの代表的な工事方法を紹介するので、参考にしてみてくださいね。

長尺シート

長尺シートとは塩ビ防滑シートとも呼ばれるシートのことで、主にマンションの階段や廊下で使用されています。

長尺シートは表面が防滑エンボス状で、クッション性や表面の凹凸が特徴です。

クッション性による足音の軽減や表面の凹凸による滑り止めの効果が期待できます。

歩行で発生する摩擦などの刺激に耐える耐久性も十分で防水効果もあるため、共用階段に適している素材です。

長尺シートにはさまざまなデザインと配色のものが販売されているため、デザイン性にも優れています。

①既存シートの撤去
②ケレン清掃

③下地調整
④接着剤塗布
⑤シート敷き込み+転圧

⑥端末シール充填
⑦ヘラ押さえ
完成

画像引用:【個人オーナー様】東京都江戸川区Gアパート 修繕工事

ウレタン塗膜防水

ウレタン塗膜防水とは、液体状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する防水工事のことです。

液体状の材料を使用するウレタン塗膜防水は複雑な形状に対しても施工できることが特徴で、共有階段に施工されることもあります。

ウレタン防水は比較的工事費用を抑えることができるほか、防水層が軽量なので建物への負担も少ないことがメリットです。

ウレタン防水を長く維持するためには、防水層を保護する役割があるトップコートの定期的な塗布を行いメンテナンスすることが重要です。

①ケレン清掃
②カチオン塗布

③プライマー塗布
④入隅シール充填
⑤ウレタン防水1層目

⑥ウレタン防水2層目
⑦トップコート
⑧滑り止め設置

鉄骨階段の修繕工事

建物の外に設置されている鉄骨階段では以下のような工事が行われます。

  • 塗装工事
  • 交換

鉄骨階段が設置されているマンションでは、大規模修繕工事と同時に補修が行われますが、鉄骨階段はサビなどの腐食が発生しやすいため、5年に1回程度の塗り替えが推奨されています。

マンションの大規模修繕に伴う鉄骨階段の補修では、塗装工事による修繕がメインですが、腐食している部分があれば部分的な交換を行います。

築30年以上のマンションに設置された鉄骨階段は、サビによる腐食が進行している場合が多いです。

そのため、2〜3回目の大規模修繕時に鉄骨階段を交換、つまりリニューアルする必要性があります。

鉄骨階段のリニューアルを考慮して長規模修繕計画を立てるのが良いでしょう。

共用階段・鉄骨階段の修繕費

共用階段や鉄骨階段の修繕にかかる費用は以下のとおりですです。

工事内容費用相場
長尺シート1㎡あたり3,000円
ウレタン塗膜防水1㎡あたり3,000~7,500円
塗装工事15〜20万円程度
交換100〜200万円程度

表の価格はあくまで相場です。施工会社によって値段は異なるので、表の価格は参考程度にご覧ください。

また、上記の費用に加え、撤去費や人件費などがかかります。

外壁塗装工事でよくある質問

Q

外壁塗装の費用はどのくらいかかりますか?

A

一般的には、40坪の住宅(塗装面積160㎡、シリコン塗料)で90万円〜120万円程度が相場です。塗装面積や使用する塗料の種類によって異なります。

Q

工事の期間はどのくらいかかりますか?

A

外壁のみの場合は約10日、外壁と屋根を同時に行う場合は約14日程度かかります。ただ、天候や建物の状態によって日数は変わることがあります。

Q

工事中の生活にどんな影響がありますか?

A

騒音や臭気が発生することがあります。また、足場の設置や養生シートのために窓が開けられないことや、洗濯物が干せないこともあります。事前に工事開始のご連絡はいたしますので、ご安心ください。

まとめ

マンションやアパートの大規模修繕では、確認申請が必要な場合と不要な場合があります。

  • 1〜3号建築物の大規模の修繕・模様替は確認申請が必要
  • 1〜3号建築物の大規模の修繕・模様替の場合でも、申請が必要なのは「主要構造部の一種以上の過半」に対する工事の場合
  • 4号建築物の大規模の修繕・模様替は確認申請が不要
  • 一般的な大規模修繕に伴う共用階段の修繕工事では、確認申請の提出は不要

建物を長期的に維持するためにも、定期的な大規模修繕は欠かせません。

大規模修繕の確認申請は、必要な場合と不要な場合があります。

今回の記事を参考にしながら、修繕の計画を立ててみてくださいね。

階段工事の施工実例

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