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サイディングに塗装は必要?劣化症状や費用相場を解説

日本の一般的な住宅の外壁を見ると、約70%がサイディングになったといわれます。

それほど普及したサイディングですが、長く材質を維持するには外壁塗装が大事です。

しかし、本当に必要なものなのか、どの時点で再塗装すべきか悩みどころになるでしょう。

サイディングには欠かせない外壁塗装には、どれぐらいの費用がかかるか。

劣化症状も含めて解説します。

サイディングの塗装を悩んでいるかたは解決策に繋がりますので、ぜひ参考にしてください。

サイディングに塗装は必要?

日本で使われているサイディングの大半は、窯業系サイディングです。

窯業系サイディングとは、セメントと繊維を使った外壁材で、防水性はありません。

つまり、外壁塗装をしないと、水が浸透して室内、ひいては建物の構造全体に影響を与えます。

サイディング自体も劣化するため、外壁塗装は必須です。

次に多いのが金属系サイディングです。

金属系の場合、防錆塗装が重要で、外壁塗装がその役割を果たします。。

全体の1%程度のシェアの樹脂系サイディングもあります。

塩化ビニル樹脂で作られているサイディングで、防水性があるため、再塗装工事は必要ありません。

樹脂系サイディングはメンテナンスフリーですが、劣化した場合は交換する必要があります。

サイディングの劣化症状

サイディングの劣化症状を確認しておきましょう。

劣化症状が出ていたら、再塗装のタイミングです。

劣化症状①チョーキング現象

チョーキング現象は、外壁塗装の劣化を示す第一段階の症状です。

外壁塗装は樹脂を使った塗料を使います。

この樹脂が紫外線によって分解されると、まるでチョークの粉のような物質が表面に現れるため、チョーキング現象と呼ばれるようになりました。

顔料も大きな影響を受けることから色褪せも見られます。

この段階では、外壁塗装がサイディングを守っており、まだ役割を果たせている状態です。

しかし、チョーキング現象は外壁塗装の劣化の兆しで、放置するとサイディングまで劣化し、やがて交換が必要な事態になります。

サイディングの取り替えはかなりの費用負担につながるため、メンテナンスとして外壁の再塗装が大切です。

劣化症状②コーキングやサイディングのひび割れ

コーキングは、サイディングの継ぎ目などに使われる充填材です。

窓枠などを組み合わせたときにできる継ぎ目にも使われてきました。

コーキングが劣化すると、弾力が失われ収縮してひび割れが起こります。

このひび割れからサイディングに水が浸透し、建物全体まで悪影響を与えるのです。。

ひび割れを起こしたコーキングは、被害が広がる前に打ち替えた方がいいでしょう。

サイディングのひび割れはもっと深刻です。

なんらかの力に対して耐えられなかったことを示すことから、早めの補修や交換が必要になります。

サイディングのひび割れを防ぐには、外壁塗装の劣化を見逃さないようにしましょう。

劣化症状③塗膜の剥がれ

外壁塗装が剥がれめくれあがった状態は、塗料がサイディングに付着していない状態を示します。

サイディングの劣化が進む原因になるため、早めに処置しなければいけません。

部分的な塗装で済む場合もありますし、全体的な塗り替えが必要なケースもあります。

劣化症状④色褪せ

色褪せる理由はいくつかあります。

外壁塗装は建物の一番外側で、外的刺激からサイディングを含め建材を守るのが役割です。

外的刺激のひとつが紫外線で、外壁塗装の樹脂や顔料が分解されます。

この劣化状態が色褪せです。

サイディングを守る外壁塗装の塗膜が機能を失い始めている証拠になります。

劣化症状⑤カビ・藻の発生

外壁塗装の劣化により、表面が凸凹になると、カビや藻が根を張りやすくなります。

外壁塗装が役割を果たせていません。

特にサイディング側に発生している場合は、カビや藻が内側へ侵食している状況です。

カビや藻の発生は外観を損ねるだけではなく、健康被害にも繋がります。

サイディングの耐用年数・塗り替え周期

サイディングの種類によっても違いますが、耐用年数はだいたい30年前後というのが一般的です。

ただ、耐用年数30年は定期的なメンテナンス・点検によってなる年数です。

外壁塗装をおこなわなければ、もっと早く劣化します。

塗り替え周期は使われている塗料によって違うため、一概に同じとはいえません。

シリコン系塗料なら15年程度は耐久性を保つものも出てきました。

アクリル系塗料は劣化が早いので、1塗り替え周期は短くなります。

塗り替え周期は塗装の技術や経験により差が出るため、施工業者の選定はとても大切です。

サイディング塗装の費用相場

サイディングを塗装する場合、どの塗料を使うかによって耐用年数もコストも違います。

耐用年数が低いと短期間で再塗装を繰り返さなければならず、足場の設営などの付帯費用が増大する場合があります。

塗料耐用年数費用コスト特徴
アクリル・ウレタン3~10年50~110万円◯低め過去に使われてきた外壁塗装の塗料。
価格は安いがライフサイクルが短く、トータルコストが高くなる。
シリコン10~15年80~125万円◎価格と機能のバランスがいい外壁塗装で一般的に使われてきた塗料。
コストのバランスがいい一方で、耐候性はあまり高くない。
フッ素・無機15~20年110~165万円△高め耐候性が高くライフサイクルが長い。
コストは高めで割れやすい。
光触媒15年前後150万円前後△高め新しい塗料で太陽光を使ったセルフクリーニング効果を持つ。
コストは高めで種類も少ない。

耐用年数は、メーカーや施工精度、立地条件などによっても異なります

費用もメーカーによって違いが大きく、光触媒のようにまだまだ一般化していない塗料も増えてきました。

高機能な塗料は耐用年数が長くなる傾向がありますが、費用は高めです。

サイディング塗装の流れ

実際のサイディング塗装の流れを見ていきましょう。

1 足場の設営と養生

2 既存外壁の高圧洗浄機による洗浄作業

3 下地処理とコーキング

4 養生作業

5 下塗り塗装

6 中塗り・上塗り塗装

7 施工検査・確認

8 足場解体

サイディングのDIYはできる?

サイディングのDIYはおすすめできません。

外壁塗装は高所作業があるからです。

設備や作業の危険性、危険予知や安全設備に関する知識も大きく影響するでしょう。

メリットデメリット
業者に依頼・プロが施工するため精度が高い
・仕上がりと耐用年数に大きな影響が出る
・安全で自分は何もしないでいい
・DIYに比べると費用がかかる
・施工期間中は生活に影響が出ることもある
DIYで補修・費用が最低限で済む
・購入できるなら好きな材料が自由に選べる
・いつでも好きなときにできる
・安全が確保できない
・仕上がりがプロよりも確実に劣る
・工期が確実に伸びる
・知らないことで思った以上の費用がかかることもある

問題は高所作業に関する設備にもあります。

足場を設営するのは、外壁塗装とは違った技術です。

材料の確保の面でも難しいところが出てくるでしょう。

はしごで作業するのは大変危険です。

DIYはサイディングを傷つける場合もあります。

DIYは避け、外壁塗装は専門業者に依頼するのがおすすめです。

サイディングの劣化症状を放置した場合

サイディングの劣化を放置したらどうなるでしょうか。

窯業系サイディングを例にしましょう。

サイディングの劣化を放置すると、雨水による浸透が始まり周辺を侵食。

今度はサイディング内部に侵入して、劣化が進みます。

室内にも水分が流れ込み、湿度が上昇します。

カビなどの発生を誘発し、雨水とともに建材を侵食、やがて雨漏りもはじまるのです。

同時に害虫などが発生し、カビによる健康被害も引き起こすでしょう。

構造建材は防水性がありません。

雨水で侵食されると、劣化を著しく早めてしまうのです。

サイディングは劣化したら交換はできますが、構造建材はそうはいきません。

構造建材が劣化したら、大規模なリフォームや建て替えに発展する場合も出てくるのです。

サイディング塗装を業者に依頼する際の注意点

サイディングに関する工事を依頼するなら、経験が欠かせません。

どのような施工がいいか判断するのは、知識と経験だからです。

費用の面でも相見積もりなどで比較が大切ですが、最後は仕上がりの精度が重要になります。

安くても精度が低ければ、メンテナンスの周期が短くなるからです。

余計な費用をかけないためにも、施工実績などの経験を重視し、精度の高い工事が必要になるでしょう。

施工実績例などを確認して、業者を選ぶことが大切です。

外壁塗装工事でよくある質問

Q

外壁塗装の費用はどのくらいかかりますか?

A

一般的には、40坪の住宅(塗装面積160㎡、シリコン塗料)で90万円〜120万円程度が相場です。塗装面積や使用する塗料の種類によって異なります。

Q

工事の期間はどのくらいかかりますか?

A

外壁のみの場合は約10日、外壁と屋根を同時に行う場合は約14日程度かかります。ただ、天候や建物の状態によって日数は変わることがあります。

Q

工事中の生活にどんな影響がありますか?

A

騒音や臭気が発生することがあります。また、足場の設置や養生シートのために窓が開けられないことや、洗濯物が干せないこともあります。事前に工事開始のご連絡はいたしますので、ご安心ください。

まとめ

この記事のまとめです。

・サイディングは外壁塗装が守っている

・再塗装することでサイディングや構造建材を守り、快適な住空間を維持できる

・DIYでは対応できない部分が大きいため、経験のある業者を選ぶことが大切

サイディングが劣化する前に、メンテナンスとして外壁塗装の塗り替えを検討するのがおすすめです。

外壁塗装はどうしてもお金がかかりますが、サイディングの補修や交換よりはるかに安上がりです。

快適な住空間を守るためにも、まずは点検から始めてみてはいかがでしょうか。

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