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アパートの外壁塗装を行う際の費用相場や施工期間・注意点を解説

「アパートの外壁が古くなってきたけど、なにをすればよいかわからない」と、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
外壁塗装は美観を維持するだけでなく、建物の寿命を延ばすためにも重要な工事です。
本記事では、アパートの外壁塗装を行う際の費用相場や施工期間・注意点について詳しく解説していきます。
アパートの外壁塗装を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

アパート外壁塗装の重要性

アパート経営において、外壁塗装は単なる美観の問題ではありません。外壁塗装は建物の寿命を延ばし、資産価値を維持するための重要な投資です。また建物を保護し、エネルギー効率を向上させ入居率を高めるなど、多面的な効果をもたらします。

本記事ではアパートオーナーの皆様に向けて、外壁塗装に関する包括的な情報を提供します。費用相場から施工期間・注意点に至るまで、外壁塗装に関するあらゆる側面を詳しく解説していきます。この情報を活用することで、より効果的かつ効率的な外壁塗装を実現し、アパート経営の成功につなげられるでしょう。

外壁塗装が必要な理由

外壁塗装は、アパート経営において多くの重要な役割を果たしています。以下に、その主な理由を詳しく説明します。

資産価値の向上

適切に外壁塗装を行うことで建物の劣化を遅らせ、より長期的な資産価値の維持につながります。また美しく保たれた外観は、不動産評価額にも良い影響を与え、将来的な売却や担保価値の維持にも寄与します。

建物の保護

外壁塗装は単なる美観の問題ではなく、建物を雨風や紫外線から守る重要な役割を果たします。 適切な塗装により建物内部への水分浸透を防ぎ、構造体の劣化を防げるでしょう。 とくに紫外線による劣化は外壁材の寿命を著しく縮める要因となるため、UV保護機能を持つ塗料を選択することで、建物の長寿命化に貢献します。

コスト抑制

定期的な塗装を行うことで、大規模な修繕が必要となるリスクを軽減できます。 例えば、ひび割れや剥離を放置すると、水分の浸入による構造体の劣化につながる可能性があります。 しかし、小さな損傷を早期に発見し対処することで、将来的に高額な修繕費用がかかるのを防げるでしょう。

空室リスクの低減

外観をきれいに保つことで、潜在的な入居者に良い印象を与え、入居率の向上につながります。 とくに競合物件が多い地域では、外観の良さが物件選びの決め手となることも多いです。 さらに清潔で魅力的な外観は、長期入居を促進する効果も期待できます。

エネルギー効率の向上

最新の塗料技術を使用することで、建物の断熱性能を向上できます。 これにより、夏は涼しく冬は暖かい室内環境を維持しやすくなり、結果として冷暖房費の削減につながります。

外壁塗装のタイミング

外壁塗装のタイミングを適切に判断することは、アパート経営において非常に重要です。 一般的な目安として、10〜15年ごとに外壁塗装を行うことが推奨されています。 また国土交通省のガイドラインでは、分譲マンションの大規模修繕工事の周期を12~15年としています。 ただし、これらはあくまで目安であり、個々の建物の状態や環境に応じて判断する必要があります。

塗り替えが必要なサイン

外壁塗装のタイミングとして、塗り替えが必要なサインを見逃さないことも大切です。
以下のような症状が見られる場合は、塗り替えを検討しましょう。

症状名具体的な症状
チョーキング外壁に触れると白い粉が付着する現象。
塗装の保護機能が低下し、劣化が進む可能性があります。
剥がれ塗装の表面が剥がれ落ちている状態。
放置すると、外壁の保護機能が低下し、外部のダメージに対して脆弱になります。
クラック
(ひび割れ)
ひび割れから水が浸入し、建物の内部構造に影響を与えることがあります。
色あせ紫外線による塗料の劣化のサインです。
美観の低下とともに、外壁の耐候性が低下し、さらなる劣化を引き起こします。
カビや藻の発生湿気の多い環境や日当たりの悪い場所で発生しやすいです。 建物の美観や耐久性が低下するだけでなく、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

外壁塗装の費用相場

外壁塗装の費用は、アパート経営における重要な投資の一つです。 適切な予算計画を立てるためには費用の内訳や相場価格を理解し、費用を抑えるためのポイントを押さえておくことが重要です。

費用の内訳

外壁塗装にかかる費用は、主に以下の項目で構成されています。

費用名内容
塗料代使用する塗料の種類や品質によって大きく変動します。 高品質な塗料は初期費用が高いですが、耐久性が高く長期的にはコスト効率が良い場合があります。
足場代塗装工事を行う際、職人が安全に作業するために足場を設置する費用です。
建物の高さや形状によって変動します。
人件費作業を行う職人の人件費。
技術力が高い職人ほど単価は高くなりますが、仕上がりの質も向上します。
その他の費用現場管理費・廃材処理費・養生材料費などが含まれます。
全体の10〜20%程度を占めることが一般的です。

相場価格

外壁塗装を行う建物の規模ごとの相場価格は、以下の通りです。

建物の規模費用相場
11階建 23世帯(シリコン塗装の場合)約500〜600万円
9階建 18世帯(シリコン塗装の場合)約400〜500万円
5階建 10世帯(シリコン塗装の場合)約300〜400万円

また、使用する塗料ごとの費用相場は以下の通りです。

使用する塗料(耐用年数)費用相場
シリコン塗料(耐用年数:8~15年)約2,500~3,200円/㎡
アクリル塗料(耐用年数:3~6年)約1,500~1,800円/㎡
ウレタン塗料(耐用年数:6~10年)約1,800~2,200円/㎡
ラジカル塗料(耐用年数:13~15年)約2,800~3,800円/㎡

費用を抑えるポイント

外壁塗装の費用を抑えるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

  • 建物の劣化が進む前に塗り替える
  • 複数の業者から見積もりを取る
  • 建物の状態や環境に適した塗料を選ぶ
  • 不必要なオプションを避ける
  • 近隣の建物とまとめて工事を行う
  • 外壁塗装に関する補助金制度や税制優遇措置を活用する

外壁塗装工事の流れと期間

外壁塗装工事はアパートの居住者や周辺環境に一時的な影響を与える可能性があるため、その流れと期間を理解しておくことが重要です。
ここでは、標準的な外壁塗装工事の流れと、各工程にかかる期間について詳しく説明します。

外壁塗装工事の標準的な流れ

  1. STEP

    現地調査と見積り作成

    建物の状態を詳細に調査し、必要な作業内容を確認後に見積りを作成する

  2. STEP

    契約と工事日程の決定

    見積り確認・交渉後に契約締結し、工事日程を決定する

  3. STEP

    足場の設置

    安全な作業のために足場を設置。建物の形状や高さで設置期間が変動する

  4. STEP

    高圧洗浄

    外壁の汚れやチョーキングを除去し、洗浄後に十分な乾燥時間を確保する

  5. STEP

    下地処理

    クラックや浮き・剥がれなどの補修を実施。建物の状態により時間がかかる場合もある

  6. STEP

    養生

    窓やドアなどに塗料が付着しないよう、保護シートで養生する

  7. STEP

    下塗り

    塗料の密着性を高めるために下塗りを実施

  8. STEP

    中塗り

    塗膜形成と上塗りの仕上がりを良くするために、中塗りを実施

  9. STEP

    上塗り

    最終仕上げとなる上塗りを丁寧に実施し、色むらがないよう確認まで行う

  10. STEP

    細部の仕上げと検査

    塗り残しや色むらを確認し、必要に応じて補修を行う

  11. STEP

    足場の撤去

    作業終了後、足場を撤去し片付けを行う

  12. STEP

    最終確認と引き渡し

    工事の仕上がりを確認し、問題がなければ引き渡しが行われ完了

工事期間の目安

標準的な3階建てアパート(床面積約600㎡)の場合、全工程を合わせて約2〜3週間程度かかります。
詳しい工事期間については、契約を行う際に業者に確認をとりましょう。
ただし、以下の要因によって工期が変動する可能性があります。

  • 建物の状態
  • 天候
  • 塗料の種類
  • 作業の複雑さ

業者選びのポイント

信頼できる業者を選び、適切な関係を構築することは、外壁塗装工事の成功に不可欠です。
慎重に業者選びを行うことで、建物の価値を高め、長期的な資産価値の向上につながる質の高い外壁塗装を実現できるでしょう。
ここでは信頼できる塗装業者を選ぶためのポイントについて、詳しく解説します。

業者選びの基本的なポイント

実績と経験

外壁塗装業者を選定する際には、まず会社の設立年数や過去の施工実績を確認することが重要です。
設立年数が長く、豊富な施工実績がある業者は、信頼性が高く安定したサービスを提供する可能性が高いです。
また、アパートや集合住宅の塗装経験が豊富かどうかを確認することも大切です。
アパートや集合住宅に特化している業者であれば、より安心して工事を依頼できるでしょう。

資格と認定

外壁塗装業者を選ぶ際には、建設業許可証の有無を確認することが重要です。
とくに「塗装工事業」の許可を持っている業者は、適切な認可を受けているため、信頼性が高いといえます。
また、所属している職人の資格も確認しましょう。
例えば、1級や2級の塗装技能士資格を持つ職人は、高い技術力と専門知識を有しており、より品質の高い施工を期待できます。

保証内容

外壁塗装業者を選定する際には、施工後の保証期間と保証内容も併せて確認しましょう。
保証期間が長く、保証内容が充実している業者を選ぶことで、施工後のトラブルにも安心して対応できます。また保証書の発行の有無と、保証を受ける際の条件についても確認しておく必要があります。
保証書が発行される業者は、保証内容を正式に記録し、万が一の問題発生時にも適切に対応してくれる可能性が高いです。
保証を受けるための条件についても把握しておくことで、後々のトラブルを防げるでしょう。

見積りの透明性

外壁塗装業者を選ぶ際には見積り内容が詳細であり、かつ各項目の内訳が明確であることが重要です。
作業内容や材料費・手間賃などが具体的に記載されていることで、費用の透明性が確保され、後々のトラブルを防ぐことができます。
もし不明瞭な箇所があれば、事前に確認をしましょう。

コミュニケーション能力

外壁塗装業者を選ぶ際には質問への対応が丁寧で、専門用語をわかりやすい言葉で説明してくれる業者を選ぶことも大切です。
業界用語や技術的な内容をわかりやすく説明してもらうことで、工事に対する理解が深まり、納得して工事を進められるでしょう。

大規模修繕工事でよくある質問

Q

大規模修繕工事の期間はどのくらいかかりますか?

A

大規模修繕工事の規模や建物の状態によりますが、およそ3ヶ月〜4ヶ月程度かかることが多いです。

Q

工事中の生活にどんな影響がありますか?

A

足場の設置やメッシュシートで覆うため、室内が少し暗くなることがあります。また、塗装や防水作業時には洗濯物が干せないなどの制限があります。

Q

バルコニーやベランダの利用はどうなりますか?

A

バルコニーやベランダの壁面塗装や床面の防水作業時には、使用が制限されることがあります。

Q

工事期間中、エアコンは使えますか?

A

基本的には通常通り使用できますが、場合によっては一時的に使用が制限されることもあります。

Q

大規模修繕での工事の騒音や臭気はどうなりますか?

A

塗装の臭気やドリルの騒音、粉塵などが発生することがありますが、できるだけ負担を軽減するよう配慮しております。

Q

大規模修繕工事に対する費用が不足する場合はどうすればよいでしょうか?

A

できるだけ早い時期に長期修繕計画に基づき積立金を見直し、資金不足にならないようにするのが最善です。実際に資金が足りないことが判明した場合には、時期をずらしたり、工事の範囲を見直したり、一時金の徴収や借入の可能性を探ったりと、様々な方法で計画を調整できます。ご予算に応じて資産価値を損なわないベストなプランをご提案いたします。

Q

修繕工事の前に現地調査が必要なのはなぜですか。どういうことを行うのですか?

A

築年数、周囲の環境や場所によって劣化の度合いは異なりますので、各部の劣化状況を把握し、適切な修繕方法を見極めるためには現地調査が欠かせません。外壁タイルの浮きやコンクリートの中性化、鉄部の錆など、部位ごとに幅広くチェックします。

まとめ

本記事では、アパートの外壁塗装について解説しました。

  • 外壁塗装は美観向上をはじめ、資産価値の維持や建物の保護・空室リスクの低減などの役割がある
  • 外壁塗装のタイミングは、一般的な目安として10〜15年ごとに実施する
  • 外壁塗装の費用相場は、建物の規模や塗料によって異なる
  • 工事は約2〜3週間程度かかるが、建物の状態や天候などにより変動する場合がある
  • 業者を選ぶ際は実績や経験があり、保証がしっかりしている業者に依頼するのがポイント

アパートの外壁塗装は単なる美観の問題ではなく、建物の保護と価値向上のための重要な投資です。
本記事で解説した内容を参考に、計画的かつ戦略的に外壁塗装を実施することで、長期的な経営の安定と成功につなげられるでしょう。
ただし、ここで紹介した情報はあくまで一般的なガイドラインです。
実際の施工に当たっては、建物の特性や地域の条件・法規制などを考慮し、専門家のアドバイスを受けながら最適な計画を立てることが重要です。
外壁塗装は、アパート経営における重要な意思決定の一つです。
十分な情報収集と慎重な検討を行い、建物と経営の両面でメリットを最大化できるよう、適切な判断を心がけましょう。

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