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アパートの鉄骨階段の修理・補修工事を解説|腐食したら交換?費用はいくら?

アパートのオーナーさんは、所有するアパートの修繕内容に悩んだことのある方がほとんどなのではないでしょうか。

今回は、アパートの鉄骨階段の修理・補修工事について、工事の流れや費用を詳しく解説していきます。

アパートの大規模修繕の内容を検討している方や、鉄骨階段の修理を検討している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

アパートの鉄骨階段を補修・修理するメリット

アパートの階段は、建物の外側に設置されていて紫外線や雨の影響を大きく受けます。

そのため劣化も比較的激しく、定期的な補修や修理が必要です。

アパートの鉄骨階段を補修・修理するメリットには、以下のようなものがあります。

  • 階段だけではなくアパート全体の見栄えが良くなる
  • 鉄骨階段のサビを防ぐ
  • 安全性が保たれる
  • 入居率が保たれる

外にある階段がサビていたり汚かったりすると、建物全体が古く見えてしまいます。

汚れやサビが目立ちやすい外階段の補修を行うだけでも、建物全体の見栄えが良くなるでしょう。

汚れやサビが目立つ外階段があれば、入居希望者は安全性に不安を感じます。

建物の外観や安全性への不安は入居率にも直結する問題なので、外階段を補修して清潔で安全な状態に保つことは、入居率の確保にもつながります。

アパートの鉄骨階段の補修・修理を怠るリスク

アパートの鉄骨階段は、劣化症状が現れたら早急に補修や修理を行う必要があります。

鉄骨階段の補修や修理を怠った場合のリスクには、以下のようなものがあります。

  • 美観を損ねる
  • サビが進行すると腐食して穴があく
  • 階段の強度が低下して崩れる恐れがある

鉄骨階段の劣化症状を放置すると、見た目だけではなく安全性を脅かすリスクが考えられます。

サビを放置していると階段の強度が低下して、最悪の場合入居者の利用中に階段が崩れて大きな事故が起こってしまうでしょう。

鉄骨階段のサビは見た目の問題だけに留まらず、重大な事故を引き起こす可能性があります。

そのため、鉄骨階段の補修・修理を怠ることは本当に危険な行為です。

アパート鉄骨階段の修理・補修の目安|劣化症状

アパートの鉄骨階段の修理・補修は、どのようなタイミングで行えばいいのでしょうか。

劣化症状を放置せずに適切なタイミングで修理・補修を行えるよう、工事の目安となる劣化症状を3つ紹介します。

塗装膜の剥がれ

鉄骨階段の表面には、表面の保護や見栄えの良さのために塗装がされています。

塗装にはサビ止めや防水のために有効な成分が含まれています。

この鉄骨階段の塗装膜が剥がれていたら、修理や補修が必要となる劣化のサインです。

塗装膜が剥がれると鉄骨部分が剥き出しの状態となり、雨の影響を受けやすくなります。

鉄骨部分が剥き出しのまま放置していると、雨と鉄骨との化学反応により徐々に階段にサビが発生していきます。

また、塗装膜が完全に剥がれていないひび割れの状態も、放置することは危険です。

ひび割れの部分も十分に雨水の侵入経路となり、塗装膜や鉄骨階段の劣化を進めてしまうでしょう。

サビの広がり

一部分にサビが付着している程度であれば、見た目もほとんど気にならないものです。

しかし、一部分であっても発生しているサビをそのまま放置していると、そこからどんどん全体へとサビが広がっていってしまいます。

サビが広がっていったり内部まで進行してしまったりすると、美観を損なったり鉄骨階段の強度が下がったりと重大な問題につながります。

このような事態を防ぐためにも、サビが一部分に付着している段階でしっかりと取り除くことがおすすめです。

この段階でメンテナンスを行うことができれば、ひとまず大規模な工事は必要ありません。

サビによる穴

サビの付着を放置していると徐々に広がっていき、内部まで侵食します。

内部まで侵食したサビは、鉄骨部分にも穴をあけます。

鉄骨階段にサビによる穴があいていれば、階段の強度が著しく下がっているということです。

かなり危険な状態なので、早急に工事を行いたい劣化症状です。

また、サビの侵食は鉄骨内部で見えないうちに広がっていくことで、なかなか気づきにくいこともあります。

鉄骨階段に穴があくほどの劣化症状が現れている場合には、利用者の安全のためにも階段の利用を禁止して、早急に補修・修理工事を行いましょう。

アパート鉄骨階段の補修・修理工事の種類

アパート鉄骨階段の補修・修理工事には、以下の2つの種類があります。

  • 交換
  • 塗装

鉄骨階段の劣化が激しい場合には、階段事態を撤去して交換する必要があります。

交換が必要ない程度の劣化症状であれば、サビを取り除いて塗装を行い、延命修理を行うことができます。

劣化の状態によって、安全性とコストとのバランスを考えながら工事の種類を選ぶことになるでしょう。

鉄骨階段工事の種類を選ぶ判断基準

鉄骨階段の劣化状態は、専門家でないと判断することが難しいです。

鉄骨の腐食の程度や安全度、そして必要な補修を見極めて工事の種類を決定するのは、専門家に任せましょう。

腐食が進んでいて補修では安全性が確保できない場合は、古い階段は撤去して交換する工事を選ぶことになります。

一方で、部分的な補修で安全に使用できると判断されれば、劣化した部分を補修して階段の延命工事を行います。

アパート鉄骨階段の補修・修理工事の費用

アパート鉄骨階段の補修・修理工事にかかる費用は、当然ながら工事の内容によって異なります。

ここでは、修理で対応できる場合と交換が必要になる場合のそれぞれの費用相場を紹介します。

修理の場合

鉄骨階段の修理工事を行う場合、

  • 塗装
  • 長尺シートカバー工法

の2つの工法にわけられます。

塗装で修理を行う場合は、サビ落とし、下塗り、上塗りを含めて15〜20万円程度が相場です。

長尺シートカバー工法で修理を行う場合は、下地補修を含めて20〜30万円程度の費用が必要となります。

交換の場合

劣化が進んでいて階段の交換が必要となる場合は、当然修理の場合よりも費用が高額となります。

アルミ製の外階段に交換する場合、既存階段の解体費用を含めて100〜200万円程度の費用が必要です。

この費用相場は既製品の階段で交換を行える場合であり、オーダーメイドの階段や特殊な形状(折り返しや曲がりがあるタイプ)の階段の場合では、さらに費用が高額となるでしょう。

アパート鉄骨階段の補修・修理工事の流れ|塗装の場合

引用:【個人様】東京都目黒区O様邸 鉄骨階段塗装工事

アパート鉄骨階段の補修・修理工事を行う場合、塗装工事がどのような流れで行われるのか気になりますよね。

鉄骨階段の塗装工事では、ウレタン塗装が主流となっています。

ここでは、鉄骨階段の修理を塗装工事で行う場合の工事の流れを紹介します。

飛散防止のネットを設置

工事の中では、水や塗料などが周囲に飛び散る可能性があります。

飛散防止ネットは、周囲の家や塗装しない部分に水や塗料の飛び散りが付着しないように設置するものです。

飛散防止ネットは目の細かい網で、しっかりと設置しておくことで汚れを防ぐことができます。

アパートの鉄骨階段工事の場合は、車や自転車などに対しても飛散防止ネットを被せることが多いです。

塗料は、予想以上に遠くまで飛び散ってしまうことがあります。

施工場所付近にある汚れてはいけないものに対しては、しっかりと飛散防止ネットを設置することが重要です。

高圧洗浄

既存の鉄骨階段の汚れを落とすために、高圧洗浄を行います。

高圧洗浄機を使用することで、汚れだけではなく古い塗膜もある程度剥がしておくことがポイントです。

鉄骨階段の汚れや古い塗膜の状態、洗浄したい範囲などを考慮しながら、適切なノズルを選んで作業を行っていきます。

ケレン作業

ケレン作業とは、以下のような目的で行われる工程です。

  • 古い塗膜を剥がす
  • サビを落とす
  • 鉄骨階段の表面に細かい傷をつける

ケレン作業に使用されるのは、サンダーと呼ばれる機械やマジックロンと呼ばれる研磨剤です。

ケレン作業をしっかりと行うかどうかで、塗装の寿命が大きく変わります。

ケレン作業により塗装の寿命を伸ばすことで、鉄骨階段全体も長持ちさせることができます。

養生

塗装知る必要のない部分には、専用のテープやシートを使って養生を行います。

広範囲を保護したい場合には、テープと保護シートが一体化したマスカーテープと呼ばれる道具がよく使用されます。

テープをしっかりと貼り付けるためにも、養生する部分はしっかりと乾燥させることが重要です。

サビ穴補修

鉄骨階段にサビによる穴があいている場合は、補修を行います。

基本的に使用されるのは、溶接補修という金物を当てる方法です。

腐食が大きい部分では、踏板ごと交換することもあります。

予算を抑えたい場合には、補修テープで穴を塞ぐ方法もあります。

しかしこの方法はあくまでも応急処置です。

溶接工事に比べても劣化が早いため、今後も長く使用する鉄骨階段の場合は注意が必要です。

塗装

階段の劣化部分を補修して下地が整った後は、いよいよ塗装を行っていきます。

塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3段階で行われることが一般的です。

下塗り

下塗りは、サビ止めの入った塗料を使用して行います。

サビが発生している部分には塗料を多めに塗布することがありますが、全体的な塗料の厚みは厚すぎても薄すぎても劣化の原因となってしまいます。

そのため、メーカーが定めている適切な厚みで塗料を塗っていくことが重要です。

中塗り

中塗りは、上塗りと同じ塗料を使用して行われます。

こちらも、メーカーが定めている適切な厚みを守って塗布することが重要です。

薄すぎれば十分な機能性が得られず、厚すぎれば塗膜が剥がれやすくなるリスクがあります。

上塗り

上塗りでは、中塗りと同じ塗料を塗り重ねていきます。

上塗りを行うことで、塗装の強度が大きく変わる大切な工程です。

上塗りを行う前に、中塗りの塗料をしっかりと乾燥させることがポイントです。

乾燥が不十分なままでは、塗料が密着せず劣化が早まってしまいます。

中塗りから上塗りまでの乾燥時間は気温などの条件によって異なりますが、4時間程度が目安となります。

養生撤去

塗料が完全に乾いたら、養生テープやシートを撤去します。

貼り付けていた部分の塗装が剥がれたり傷をつけたりしてしまわないよう、丁寧に剥がしていくことがポイントです。

養生を撤去した後は、ゴミや剥がし忘れが残っていないかをチェックします。

細部の手直し

塗装しない部分との境目や階段のふちなどの細かい部分は、小さな筆を使用して手直しして仕上げます。

また、鉄骨階段のデザインによっては塗装しない部分や全体とは違う塗料を使用する場合もあり、そのような細部はこの工程で仕上げていきます。

塗装しない部分との境目が整っているかどうかは仕上がりの状態に大きく影響するため、繊細な作業が必要です。

ネットやカバーの撤去・最終確認

すべての工事が終わったら、最初に取り付けた飛散防止ネットや保護のためのカバーを撤去します。

さらに最終確認として、

  • 塗り忘れた部分がないか
  • 塗装後についた傷や汚れがないか
  • ゴミが落ちていないか

などのチェックを行います。

最終チェックで問題がなければ、工事完了です。

アパート鉄骨階段の補修・修理工事の注意点

アパート鉄骨階段の補修・修理工事を行う際に気をつけておきたい注意点を3つ紹介します。

工事を行う前にぜひ確認しておきましょう。

DIYは選ばず、業者に依頼する

「できるだけ費用を抑えたい」「塗料などは簡単に手に入るからDIYに挑戦してみたい」など、さまざまな理由からDIYを検討している方もいるのではないでしょうか。

しかしアパートの鉄骨階段は多くの方が使用する設備で、劣化が進むと大きな事故が起きるリスクもあります。

定期的なメンテナンスや小さな補修であっても、間違った方法でDIYを行えば耐久性の低下や状態の悪化などを引き起こす危険性が高いです。

このような理由から鉄骨階段のDIYはおすすめできません。

鉄骨階段の補修は、必ず業者に依頼するようにしましょう。

工事が始まる前に住民・近隣への挨拶は済ませておく

鉄骨階段の工事はオーナーの一存で行うことができますが、工事が始まる前には住民と近隣にしっかりと挨拶しておくことが大切です。

アパートを借りている状態であっても、住人にとっては自分の家です。

知らない間に工事が始まっていれば気になるものなので、事前に「どのような工事をいつ行うのか」について、掲示板などを利用して報告しておきましょう。

大規模な工事は、近隣への影響も少なからずあります。

トラブルなく円滑に工事を進めていくためにも、事前の挨拶は重要です。

工事の1〜2週間ほど前を目安に、近隣への挨拶も済ませておきましょう。

交換の場合は建物との寿命差ができてしまう

鉄骨階段を新しいものに交換した場合、新しい鉄骨階段は丁寧に使用すると30年以上もの寿命があります。

アパート自体の築年数がかなり経っている場合、新しい鉄骨階段の寿命が建物の寿命よりも長くなってしまうことが考えられます。

建物より鉄骨階段が長く使える状況はあまり意味がなく、建物との寿命差が問題となるでしょう。

建物の寿命が残り少ない場合では、鉄骨階段を交換すると無駄に費用がかかることになります。

補修で延命できる場合には補修工事を選択するなど、建物の寿命と合わせて工事内容を検討する必要があります。

優良業者の選び方

アパートの工事は、できれば優良業者に依頼したいものです。

しかしどの業者が良いのか、見分け方がわからずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

ここでは、優良業者の選び方を3つのポイントから紹介します。

見積もり内容を説明してくれる

工事を依頼する前には、見積もりを出してもらいます。

作成された見積書は、内訳が詳しく書かれていなかったり、書かれていても専門用語が多くよくわからなかったりすることが多いです。

優良業者であれば、見積もりの細かい部分について納得できるまで説明してくれるでしょう。

見積もりの内容をしっかり説明してくれる業者は、塗装の知識が豊富で依頼者のことを考えてくれる優良業者だと言えます。

丁寧な調査・サポート

優良業者は、工事前の調査や工事中・工事後のサポートが丁寧です。

工事前の建物調査や計測を丁寧に行うことはもちろん、電話対応や見積もり依頼の段階から丁寧に対応してくれる業者は、工事も丁寧に行ってくれることがほとんどです。

工事内容や金額以外のことでも、対応などに違和感があれば警戒するべきとも言えます。

施工実績をホームページなどで確認

施工実績を確認することで、信頼できる業者かどうかある程度判断することができます。

主に自分が依頼する工事の実績について、ホームページなどを利用して確認しましょう。

実績が豊富であったり、写真付きで丁寧な工事例が掲載されていれば、安心して工事を依頼することができます。

まとめ

アパート鉄骨階段の補修・修理工事は、交換と修理のどちらかで行われます。

  • 劣化の程度によって、修理で対応できるか交換になるか決まる
  • 修理で延命できる場合、費用も安く済ませることができる
  • 劣化症状が現れたら早めに修理することが大事

アパートの鉄骨階段の劣化を放置するのは、大事故につながる恐れもあり非常に危険です。

今回の記事を参考に、定期的な補修や修理工事を検討してみてくださいね。

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