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地下室の防水工事の必要性は?費用相場と地下防水工事の種類

地下室の防水工事は、建物の耐久性と快適性を維持するうえで重要です。コンクリートの経年劣化や地下水位の上昇などにより、地下室では漏水や水漏れのリスクが高まります。これらの問題に対処するには、適切な防水工法の選択と施工が欠かせませんです。そこで本記事では、地下室の防水工事の必要性・漏水対策の種類・工事費用の相場・さらには先やり工法や塗膜防水など様々な防水工法について詳しく解説します。また、地下外壁や地下壁の特殊性を考慮した防水技術、工事の際の注意点などについても触れます。安全で快適な空間に保つための防水工事について、お届けします。

地下室の防水工事の必要性

地下室の防水工事とは、古くなった防水層を補修し、漏水が目立つ場所の止水のための工事です。

漏水の原因となった箇所や劣化した箇所を補修した後に防水を施すことで、地下室の耐久性や防水機能を維持できます。

地下室の水漏れ被害の主な原因は、コンクリートが経年劣化により中性化し、砂と砂の結合が弱くなり、セメント自体が劣化することです。

地下室の水漏れを放置しておくと、流れ出たセメント成分によってコンクリートが剥離し、爆発を起こし、建物の基礎に影響を及ぼします。

大きな被害が発生する前に、適切なメンテナンスを実施し、止水と建物の安全を守ることが重要です。

地下室の水漏れの原因|防水工事で対策

地下室からの水漏れには、いくつかの原因があります。

すでに水漏れをしている場合、原因別に必要な工事が異なります。

ここでは、水漏れの原因を確認しておきましょう。

配管からの水漏れ

地下の給排水管が劣化することで、水漏れが発生します。

給排水管の交換や、補修などの止水工事と防水工事が必要です。

コンクリートがひび割れしている

地下室は、コンクリートのひび割れが原因で水漏れすることが多いです。

特に注意が必要なのは、コンクリート同士の継ぎ目の劣化です。

時間の経過とともに、コンクリートをつなぎとめるセメントが劣化します。

コンクリートにひび割れが生じた場合、ひび割れている部分へエポキシ樹脂を注入し、補修工事をする方法が一般的です。

補修をした後は、アスファルトやウレタン樹脂で防水性能を高めます。

地下水位が上昇している

地下室では、地下水位の上昇による漏水のリスクもあります。

例えば、東京都では地盤沈下防止のための揚水規制により地下水位が上昇しています。

結果、地下室の水圧が上昇し、水漏れをするケースが増えている状況です。

地下室を作る際には、地下水位も考慮する必要があります。

地下室防水工事の費用

地下室防水工事にかかる費用相場は、約70万円~100万円です。

地下室の面積、防水工事の種類により変動します。

また、地下室すべてが地下に存在している造りなのか、半分地下なのかといった条件によっても費用は変わるため、見積りで詳しい金額を把握しましょう。

地下室外壁工事に使う防水工法の種類

地下外壁の防水工法には、後やり防水と先やり防水の2種類があります。それぞれの工法の特徴を確認しておきましょう。

後やり防水で地下室外壁に直接工事

コンクリートを打ち込み、養生してからコンクリート面に直接防水工事をする工法です。

躯体を打設してから防水層を造るため、「後防水」や「後やり防水」といわれています。

先やり防水で地下室外壁の完了前工事

コンクリートの打ち込み前に防水工事をする工法です。防水工事が完了して、コンクリートを打ち込んで躯体ができあがると、躯体の外側に防水層ができます。

なお、地下室の建築構造が変わりつつあり、山留め壁面そのものをコンクリート躯体の外型枠にする「外型枠省略工法」を採用するケースが多いです。

そのため、先やり防水を行うのが一般的になっています。

地下防水工事を実施する際には、どちら工法が適しているのかを事前調査を行ったうえで判断しましょう。

地下室防水工事の主な種類

地下室の防水工事は、シート防水、アスファルト防水、塗膜防水に大別されます。

それぞれの特徴を比較し、適した工法を選びましょう。

地下室防水工事の主な種類1.アスファルト防水

防水性の高いアスファルトシートと液状のアスファルトを貼り合わせて厚い防水層を形成する工法です。

アスファルト防水の工法は、主に熱工法と冷工法が挙げられます。

熱工法とは、加熱溶融したアスファルトを用いてアスファルトシートを積層し、防水層を形成する工法です。

一方、冷工法は熱を使わずに防水層を形成する工法です。

温間工法はアスファルトを250度に加熱して溶かす必要があるため、住宅ではほとんど採用されていません。

住宅建築では、アスファルトシートに接着層を設け、アスファルト系防水塗料を塗布する冷工法やトーチ工法を採用しています。

地下室防水工事の主な種類2.シート防水

シート防水は、ゴムや塩化ビニールでできたシートを下地に貼り付けて防水する工法です。

素材自体が伸縮するため、建物の伸縮に合わせて防水性能を維持できます。

また、下地を選ばず、負荷がかかりにくいことがメリットです。

地下室防水工事の主な種類3.塗膜防水

塗膜防水とは、液状の防水材を現場で塗布し、化学反応によって防水膜を形成する工法です。

ウレタン防水や、FRP防水などの種類があります。

塗膜防水は複雑な形状にも対応でき、地下の防水工事にも適しているでしょう。

アスファルト防水やシート防水は、平面的な基礎に適した防水材で、曲面の施工には不向きです。

一方、塗膜防水は曲線部やコーナー部の施工で選ばれており、塗膜防水はどのような形状でも施工できます。

地下室防水のためには断熱工事も必要

地下室の防水として、結露対策が挙げられます。

結露対策として有効なのは、土に接する面の断熱工事です。

地下室の結露は、夏の外気に含まれる水蒸気が原因であることが多く、日本の夏の外気は高温多湿なうえ外気が室内に流れ込むことで結露が発生します。

断熱工事は、カビの発生を抑え、衛生的な地下室を維持するための大切な工事です。

鉄筋コンクリート造の断熱工事は、外断熱工法と内断熱工法が挙げられます。

外断熱工法は、外側に断熱材を配置し、構造体全体を外側から覆う工法です。

外断熱工法のメリットは、内断熱工法に比べて外気の影響を受けにくく、熱を蓄えることができる点です。

ただし、地上と違って地下は年間を通じて気温が安定しているため、外断熱工法のメリットが十分に生かせないこともあるでしょう。

一方、国内には外断熱工法を行う職人が少なく、内断熱工法に比べてコストが高い傾向があります。

内断熱工法は、構造材と構造材の間に断熱材を充填する方法です。

予算や内断熱工法とのバランスによって断熱工法を選択するのが良いでしょう。

地下室壁の防水工事にかかる期間

工期の目安は約5~20日ですが、敷地の形状や隣地との境界、地下室のプランニングなど様々な条件によって大きく変わってきます。

具体的な工期を知りたい場合は、専門家に相談しましょう。

地下外壁の防水工事については、地下室の用途によって防水工事のグレードに違いがあります。

居室として使うのであればグレードの高いものを、倉庫として使うのであればグレードの低いものを選ぶと良いでしょう。

工事のグレードによって、防水工事に必要な期間も変わります。

スケジュール調整が必要な場合は施工業者に相談し、問題なく工事を完了させられる工法、防水材の種類を選びましょう。

地下室の防水工事で気をつけること

地下壁の防水工事を行う際には、いくつかの注意点があります。

なかでも特に注意したいポイントを2つ紹介します。

地下室の防水工事に向けて事前調査をする

選択する防水材は、仕上がりの希望、地下室の状況により異なります。

例えば、既存の防水層を問わず使用できるものもある一方、希望していても施工できない種類もあります。

そのため、入念な事前調査を行い、適した防水材を使用することが大切です。

地下室の防水工事ができる優良業者の選定

地下室の防水工事を行う際には、施工不良にも注意が必要です。

瑕疵があるまま工事が完了し、後々問題が発生した場合、外壁防水のやり直しが難しくなります。

最も重要なことは信頼できる業者を選ぶことだといえます。

優良業者は、施工後のトラブルにも対応してくれるでしょう。

保証期間を設けている業者もあるため、保証内容も考慮して業者を選ぶ必要があります。

防水工事でよくある質問

Q

防水工事の種類にはどんなものがありますか?

A

主な防水工事の種類には、ウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水などがあります。それぞれの工法にはメリットとデメリットがあり、適した場所や耐用年数も異なります。

Q

防水工事の費用はどのくらいかかりますか?

A

工法や使用する材料、建物の状態によって異なりますが、一般的には1㎡あたり4,000円〜7,000円程度が相場です。

Q

工事の期間はどのくらいかかりますか?

A

工法や天候、建物の規模によりますが、通常は数日〜1週間程度で完了することが多いです。

Q

工事中の生活にどんな影響がありますか?

A

騒音や臭気が発生することがありますが、できるだけ負担を軽減するよう配慮しております。また、バルコニーや屋上の使用が一時的に制限されることがあります。

Q

防水工事のタイミングはいつが良いですか?

A

一般的には10年〜15年ごとに定期的なメンテナンスが推奨されています。また、ひび割れや雨漏りが発生した場合は早急に工事を行うことが重要です。

快適な地下室を維持するためには防水工事が必須

地下室から水が漏れる原因としては、外壁のひび割れ、コンクリート躯体の劣化、排水管の破裂などがあります。

地下室は換気がしにくいため、水が漏れるとカビや悪臭が発生しやすい点にも注意が必要です。

また、結露も発生しやすく、防水工事のひとつとして結露対策も行わなければなりません。

地下室の水漏れを防ぐには防水工事が欠かせないため、屋根や外壁だけではなく、地下室のメンテナンスについても施工業者に相談しましょう。

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