不動産投資を始めたいと思っている人は、どういった物件を選べば良いと思いますか?
安定した収益を得るためには、物件の価格や立地など様々なことを考える必要がありますが意外と忘れられがちなのが維持費。
中でも『修繕費用』は、大きなものから小さなものまで必要となってきますので常に考えていかなくてはなりません。
今回は、投資家に人気の『投資用ワンルームマンションの修繕にかかる費用と周期』について見ていきましょう。
目次
ワンルームマンションの大規模修繕が必要な理由
ワンルームマンションの大規模修繕は、建物の劣化を防ぎ、資産価値を維持するために重要な役割を果たします。修繕を適切に行わないと、外観や機能性が低下し、結果として家賃の下落や空室率の増加につながります。不動産投資としての安定した収益を確保するためにも、定期的なメンテナンスと計画的な修繕が不可欠です。
建物の劣化による資産価値の低下を防ぐ
外壁や屋上の防水層が劣化すると、雨水の浸入による建物の損傷やカビの発生が起こりやすくなります。これを放置すると、劣化がさらに進行し、建物の耐久性が低下するだけでなく、修繕コストも大幅に増加してしまいます。特に、築年数が経過した物件は、定期的な点検と適切なタイミングでの修繕が重要です。適切なメンテナンスを行うことで、建物の美観を保ち、将来的な売却価格の下落リスクを抑えることができます。
入居者の満足度向上と空室リスクの低減
ワンルームマンションの入居者は、快適な住環境を求める傾向が強く、建物の外観や設備の状態が物件選びの大きなポイントになります。エントランスや廊下、バルコニーなどの共用部分が老朽化すると、建物全体の印象が悪くなり、入居希望者に敬遠される原因になります。また、設備の不具合が増えるとクレームの発生率も高くなり、管理の手間が増えるだけでなく、退去者の増加にもつながります。計画的な修繕を実施することで、住みやすい環境を維持し、入居率を安定させることができます。
大規模修繕と不動産投資のキャッシュフローの関係
不動産投資において、大規模修繕の費用はキャッシュフローに直接影響を与えます。修繕費の積み立てが不十分だと、突発的な出費が発生した際に資金繰りが悪化し、経営を圧迫する可能性があります。特に築年数が進むと、修繕費用の負担が増えるため、早い段階から計画的に積み立てを行うことが重要です。
修繕費用がキャッシュフローに与える影響
修繕費を十分に積み立てていない場合、突発的な修繕が必要になった際に資金調達が難しくなり、最悪の場合、他の支出を削減しなければならない事態に陥ることもあります。適切な修繕積立計画を立てることで、急な出費によるキャッシュフローの悪化を防ぐことができます。また、修繕のタイミングを適切に調整することで、無駄なコストを削減しながら建物の価値を維持することが可能です。
修繕費用を投資戦略に組み込む方法
不動産投資では、購入時の物件価格だけでなく、長期的な修繕コストを考慮することが重要です。築年数ごとの修繕費用をシミュレーションし、それを投資計画に反映させることで、想定外の出費を抑えることができます。また、大規模修繕を考慮に入れた物件選びを行うことで、資産価値を維持しやすい物件を選ぶことが可能になります。例えば、築年数が浅く、適切なメンテナンスが行われている物件を選ぶことで、修繕コストを抑えながら安定した運用が可能になります。
大規模修繕にかかる費用とその内訳
大規模修繕にかかる費用は、修繕項目や建物の規模によって異なります。以下に代表的な修繕項目とその費用相場を示します。
修繕項目ごとの費用相場
ワンルームマンションの大規模修繕には、外壁塗装や屋上防水、給排水管の更新など、さまざまな工事が含まれます。一般的な費用相場は以下の通りです。
修繕項目 | 費用相場(1戸あたり) | 実施時期の目安 |
---|---|---|
外壁塗装・タイル補修 | 50万~150万円 | 15~20年ごと |
屋上防水工事 | 30万~100万円 | 10~15年ごと |
給排水管の更新 | 100万~300万円 | 20~30年ごと |
エレベーター改修 | 500万~1,000万円 | 20~30年ごと |
共用部(廊下・エントランス)の改修 | 100万~500万円 | 15~20年ごと |
修繕費用を適切に計画することで、将来的な大規模修繕の負担を軽減し、不動産投資の収益性を維持することが可能になります。
修繕費用を抑えるためのポイント
大規模修繕のコストを抑えるためには、早めの計画が重要です。建物の劣化が進む前に対策を講じることで、最小限のコストで修繕を済ませることができます。例えば、外壁のひび割れが小さいうちに補修を行うことで、大規模な修繕工事を回避することができます。
また、複数の業者から見積もりを取り、価格や施工内容を比較することも重要です。適正価格を把握し、不必要な工事を避けることで、無駄なコストを削減できます。さらに、国や自治体が提供する補助金・助成金を活用することで、修繕費の負担を軽減することができます。
計画的に修繕を行い、適正な費用管理をすることで、ワンルームマンションの資産価値を維持し、不動産投資の成功につなげることができます。
投資用ワンルームマンションにかかる修繕費用
分譲でも賃貸でも、マンションには修繕は必ずやってきます。
修繕工事は大規模なものから、退去者が出た後の原状復帰工事(小規模修繕工事)や中規模修繕工事と段階に分かれます。
築年数によって行う工事が変わるため、かかる修繕費が違ってきますので年数での目安となる金額を見ていきましょう。
大・中規模修繕工事にかかる費用
国土交通省が作成している「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」によると、RC造10戸(1K)の賃貸住宅では以下のような修繕費がかかると予想されています。
築年数 | 必要とされる修繕 | 予想される修繕費 |
---|---|---|
5~10年目 中規模修繕工事 | ベランダ・階段・廊下(塗装) 室内設備(修理) 排水管(高圧洗浄) | 戸あたり 約7万円 (棟あたり約70万円) |
11~15年目 大規模修繕工事 | 屋根・外壁(塗装) ベランダ・階段・廊下(塗装・防水) 給湯器等(修理・交換) 排水管(高圧洗浄) | 戸あたり 約46万円 (棟あたり約460万円) |
16~20年目 中規模修繕工事 | ベランダ・階段・廊下(塗装) 室内設備(修理) 排水管(高圧洗浄等・交換) 外構等(修繕) | 戸あたり 約18万円 (棟あたり約180万円) |
21~25年目 大規模修繕工事 | 屋根・外壁(塗装・葺替) ベランダ・階段・廊下(塗装・防水) 浴室設備等(修理・交換) 排水管(高圧洗浄) | 戸あたり 約90万円 (棟あたり約900万円) |
26~30年目 中規模修繕工事 | ベランダ・階段・廊下(塗装) 室内設備(修理) 排水管(高圧洗浄等・交換) 外構等(修繕) | 戸あたり 約18万円 (棟あたり約180万円) |
中規模修繕工事と、大規模修繕工事を築年数で繰り返すようなイメージですね。
大規模修繕工事は、修繕箇所が多くなると考えられる点と屋根や外壁の塗装を行うことが多く足場を組み立てるためにかかる費用が高めとなる傾向にあります。
もちろん30年目を超えた先も修繕工事は必要となりますし、年数がたてばそれだけ修繕箇所も増えることが予想されます。
RC構造の建物は税制上の耐用年数が47年となっていますが、修繕を丁寧に行うことでその年数を超えても十分マンションの価値は維持できます。
小規模修繕工事にかかる費用
小規模修繕工事は、入居者が退去する際などに行う原状復帰工事と考えます。
入居者が丁寧に利用してくれていれば、かかる費用などは少なくて済みますが壁や床がひどく傷ついてしまっていた場合など費用がかかってしまうこともあります。
契約内容によっては、入居者へ請求できるケースもあるかと思いますが難しい場合ももちろんあるでしょう。
ある程度は想定しながら準備しておくのが良いでしょう。
小規模修繕工事にかかると予想される費用・・・数万円~十数万円程度
修繕積立費用の目安
修繕工事にかかる費用の目安がわかったところで、次に重要なのは『修繕工事費用の積み立て』についてですね。
投資用のマンションですと、収益を考えながら家賃を決めてそこにプラスして修繕用の費用の一部も入居者さんに負担してもらうか考える必要があります。
家賃や修繕用の費用積み立て分が高いと、入居者が増えずに収益にならないこともあるので高すぎる金額は設定しにくいですよね。
先ほど上記で説明した修繕が必要と予想される築年数と、修繕費を参考に積み立てておきたい金額を計算してみましょう。
修繕工事を行う築年数 | 予想される修繕費 | 積み立てておきたい金額 |
---|---|---|
10年目 | 戸あたり約7万円 | 戸あたり月約600円 |
15年目 | 戸あたり約46万円 | 戸あたり月約7,700円 |
20年目 | 戸あたり約18万円 | 戸あたり月約3,000円 |
25年目 | 戸あたり約90万円 | 戸あたり月約20,000円 |
30年目 | 戸あたり約18万円 | 戸あたり月約3,00円 |
あくまでも平均的な目安ですので、もっと工事が必要になるケースももちろんあります。
考えられる費用を想定し、家賃にどのように加えるか収益と共に計算することが必要です。
不動産投資家向けの修繕費用積立戦略
不動産投資を成功させるためには、修繕費用を適切に管理し、突発的な支出によるキャッシュフローの悪化を防ぐことが重要 です。特に、大規模修繕は避けられないコストであり、適切な積立計画を立てることで、資産価値を維持しながら安定した投資運用が可能になります。
適切な修繕積立金の計算方法
ワンルームマンションの大規模修繕に備えるため、1㎡あたり月200~300円 を目安に積み立てるのが一般的とされています。例えば、30㎡のワンルームマンションの場合、以下のような積立計画が考えられます。
物件の広さ | 修繕積立金(月額) | 年間積立額 |
---|---|---|
20㎡ | 4,000~6,000円 | 48,000~72,000円 |
30㎡ | 6,000~9,000円 | 72,000~108,000円 |
40㎡ | 8,000~12,000円 | 96,000~144,000円 |
物件の規模が大きくなるほど、修繕費用の負担も増えるため、物件の築年数や設備の状態に応じて積立額を調整することが重要 です。
修繕積立のシミュレーション
実際に、築年数ごとの修繕積立がどの程度必要になるのかをシミュレーションすると、次のようになります。
築年数 | 必要な修繕費用(1戸あたり) | 積立目安(月額) |
---|---|---|
10年 | 50万~100万円 | 5,000~10,000円 |
20年 | 100万~300万円 | 10,000~20,000円 |
30年 | 300万~500万円 | 20,000~30,000円 |
このように、築年数が経過するにつれて修繕コストが増加するため、早い段階からの積立が不可欠 です。また、管理組合が設定する修繕積立金が不足している場合は、追加で積み立てを検討する必要があります。
計画的に修繕積立を行うことで、不動産投資の収益性を損なうことなく、大規模修繕をスムーズに実施できるようになります。
投資用マンション修繕費用を抑えるには
投資用ワンルームマンションの修繕費について、見てきましたがいかがでしたか?
「思ったよりも必要なのがわかった」とおっしゃってもらえるなら良かったと思います。
修繕工事だけでなく、思いがけない災害が起これば修繕工事は急に必要になる場合もあります。
そういった場合にもしっかりと準備しておくことが必要です。
修繕費用を少しでも抑えるためには、日頃から建物を大切にすることが重要です。
- メンテナンスや検査をこまめに行う
- 修繕工事は信頼の高い施工会社に依頼する
- 質の高い管理会社に管理してもらう
などといったことを意識してもらうことで、建物の寿命が延び修繕工事の回数を減らしたりすることへも繋がります。
大規模修繕工事でよくある質問
ここでは大規模修繕工事に関する質問について回答します
Q
大規模修繕工事の期間はどのくらいかかりますか?
A
大規模修繕工事の規模や建物の状態によりますが、およそ3ヶ月〜4ヶ月程度かかることが多いです。
Q
工事中の生活にどんな影響がありますか?
A
足場の設置やメッシュシートで覆うため、室内が少し暗くなることがあります。また、塗装や防水作業時には洗濯物が干せないなどの制限があります。
Q
バルコニーやベランダの利用はどうなりますか?
A
バルコニーやベランダの壁面塗装や床面の防水作業時には、使用が制限されることがあります。
Q
工事期間中、エアコンは使えますか?
A
基本的には通常通り使用できますが、場合によっては一時的に使用が制限されることもあります。
Q
大規模修繕での工事の騒音や臭気はどうなりますか?
A
塗装の臭気やドリルの騒音、粉塵などが発生することがありますが、できるだけ負担を軽減するよう配慮しております。
Q
大規模修繕工事に対する費用が不足する場合はどうすればよいでしょうか?
A
できるだけ早い時期に長期修繕計画に基づき積立金を見直し、資金不足にならないようにするのが最善です。実際に資金が足りないことが判明した場合には、時期をずらしたり、工事の範囲を見直したり、一時金の徴収や借入の可能性を探ったりと、様々な方法で計画を調整できます。ご予算に応じて資産価値を損なわないベストなプランをご提案いたします。
Q
修繕工事の前に現地調査が必要なのはなぜですか。どういうことを行うのですか?
A
築年数、周囲の環境や場所によって劣化の度合いは異なりますので、各部の劣化状況を把握し、適切な修繕方法を見極めるためには現地調査が欠かせません。外壁タイルの浮きやコンクリートの中性化、鉄部の錆など、部位ごとに幅広くチェックします。
Q
大規模修繕工事の費用相場は一般的にいくらですか?
A
大規模修繕工事の費用について一般的な相場としては、1戸あたり約100万円前後が目安です。マンション全体の規模が大きい場合には、修繕費用が1億円を超えることもあります。また、マンションの劣化が激しい場合や、質の高い塗装を希望する場合には、さらに費用が高くなることがあります。