「大規模修繕で施工業者がきちんと工事してくれるか心配」
「どうやって保険に加入すれば良いの?」
こんなお悩みや疑問をお持ちのかたは多いです。
そこでこの記事では、大規模修繕の「瑕疵(かし)保険」について解説していきたいと思います。
さまざまなメリットがあるので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
大規模修繕の瑕疵保険とは
瑕疵保険の瑕疵(かし)という言葉には、「不具合」や「欠陥」という意味があります。
つまり大規模修繕の瑕疵保険とは、大規模修繕時に発生した施工ミスや不具合を補修するための費用をカバーするための保険のことを言います。
2010年に国土交通大臣指定の保険会社により、瑕疵保険の提供が始まりました。
瑕疵保険には施工業者が加入するので、マンション側に負担がかかりません。
施工ミスがあった場合は、施工業者に補修費用が保険料として支払われます。
施工業者が倒産している場合は、マンション側で保険金を受け取ります。(請求手続きは必要)
瑕疵保険に入るメリットは?
大規模修繕の瑕疵保険に入ることには、次のようなメリットがあります。
施工会社が倒産しても保険金が支払われる
施工会社が倒産した後に工事個所に不具合が見つかった場合には補修費用が全額、保険金として支払われます。
瑕疵保険に入っていない状態だと、別の会社に有償で補修してもらわなければなりません。
検査員が工事前後にチェックしてくれる
瑕疵保険に入ると、専門の知識を持った検査員が確認検査を行ないます。
工事前と工事後の両方に工事内容をチェックするので、施工業者も手抜きができません。
結果的に補修工事のクオリティが上がりやすくなります。
施工ミスにもすぐ対応できる
万が一、施工業者による施工ミスがあった場合でも、瑕疵保険に入っていれば施工業者に補修費用が支払われます。
施工業者も補修費用がもらえるので、面倒くさがらずにすぐに対応してくれるでしょう。
マンション側への負担がない
瑕疵保険は施工業者が加入するものです。
マンション側は加入料を支払う必要がないので、基本的にデメリットはありませんね。
瑕疵保険のQ&A
ここでは瑕疵保険に関する疑問や質問にQ&A形式で回答していきますよ。
瑕疵保険が適用されるのは何年間?
工事の不具合の内容にもよりますが、原則5年間です。
鉄部の不具合に関するものは、2年間に設定されています。
また防水工事やタイル剥離、給排水管路工事に関わる工事は、特約で10年に延長できます。
ただし特約が適用されるには、より高品質な基準での工事をしなくてはなりません。
瑕疵保険が適用される範囲は?
瑕疵保険が適用されるのは、以下の箇所に不具合が発生した場合です。
- 構造耐力上主要な部分(柱や梁など)
- 防水設備(屋上や外壁など)
- 給排水管設備
- 電気設備
- ガス設備
- 鉄部(手すりなど)
ちなみに地震や台風、シロアリ被害などには瑕疵保険が適用されません。
いつ申し込めばいいの?
瑕疵保険は工事が着工する前に申し込んで、事前検査に合格しなければなりません。
工事が着工してしまうと、瑕疵保険には加入できません。
瑕疵保険に加入するのは義務?
瑕疵保険への加入が義務付けられているわけではありません。
しかし大規模修繕工事においては、原則として瑕疵保険に加入することが施工業者に推奨されています。
施工業者が瑕疵保険に加入していない場合は、着工前に施工業者と話をする必要があるでしょう。
といっても瑕疵保険に加入していないからといって、必ずしも悪徳業者とは限りません。
瑕疵保険を利用するには毎年、保険料の支払いや更新作業が必要です。
「良い業者は加入している」くらいに思っておきましょう。
まとめ
最後に今回の記事の内容をまとめていきます。
- 大規模修繕における瑕疵保険は、修繕時に発生した不具合の補修費用をカバーする
- 瑕疵保険は施工業者が加入する
- 施工業者が倒産しても保険金が支払われる
- 瑕疵保険は原則5年間適用される
- 保険が適用される範囲が決まっている
- 瑕疵保険への加入は義務ではない。加入したがらない業者もある
施工業者が瑕疵保険に入っていると、マンション側の安心感が違います。
大規模修繕工事を計画中のかたは施工業者が瑕疵保険に加入しているかどうか、事前に確認してみてくださいね。