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塗装できない屋根材とは?種類や特徴を解説

屋根は建物を風雨から守る重要な役割を担っていますが、その材質によっては塗装ができない場合があります。

塗装ができない屋根材は、特殊な素材や構造を持っているため、通常の塗装方法では十分な効果が得られなかったり、かえって屋根材を傷めてしまったりする可能性があります。

そのため、屋根塗装を検討する際は、自分の家の屋根材が塗装可能かどうかを見極めることが重要です。

屋根材の種類によっては、塗装以外のメンテナンス方法を選ぶ必要があります。

そこで本記事では、塗装ができない屋根材の種類・特徴・見分け方などを詳しく解説します。

これから屋根塗装を検討している方や、すでに屋根材が塗装できないことがわかっている方も、ぜひ参考にしてみてください。

適切なメンテナンス方法を選び、大切な屋根を長持ちさせましょう。

塗装ができない屋根材と見分け方

塗装ができない屋根材は、その特性ゆえに通常の塗装方法が適用できません。

以下では、代表的な塗装ができない屋根材と、その見分け方を詳しく解説します。

アスベスト含有屋根材

アスベストは、耐熱性・耐薬品性に優れた素材ですが、発がん性があるため、現在は使用が禁止されています。

石綿スレートや石綿セメント瓦などがありますが、これらの屋根材は素人では判断が難しいため、専門家による調査が必要です。

アスベスト含有屋根材の見分け方としては、以下のような点が挙げられます。

  • 建築年代が古く、1970年代から2000年代にかけて建てられた建物
  • 屋根材の色が灰色や黒色で、表面に模様がない
  • 屋根材の厚みが5mm程度と薄い
  • 屋根材の破片が手で簡単に割れる

ただし、これらの特徴はあくまで目安であり、確実な判断には専門家による調査が必要です。

金属屋根材

トタン・ガルバリウム鋼板・アルミニウム板などの金属屋根材は、塗装になじみにくい素材です。

金属屋根材は光沢があり、重量感があるのが特徴です。

また、磁石がくっつくかどうかで判断することもできます。

金属屋根材は、塗装になじみにくいだけでなく、素材によっては錆びやすい特性もあります。

したがって金属屋根材のメンテナンスには、塗装以外の方法を選ぶ必要があります。

特殊な樹脂製屋根材

ポリカーボネートやFRPなどの特殊な樹脂製屋根材は、塗装できない場合があります。

これらの屋根材は、プラスチック特有の光沢や透明感が特徴です。

特殊な樹脂製屋根材の見分け方としては、以下のような点が挙げられます。

特殊な樹脂製屋根材は塗装ができない場合でも、素材自体が耐久性に優れているため、メンテナンスの必要性は比較的低いといえます。

ただし、経年劣化により、表面が劣化することがあるため、定期的な点検は必要です。

塗装できない屋根材の塗装禁止の理由

塗装ができない屋根材に塗装を施してしまうと、以下のような問題が発生する可能性があります。

塗料の密着性が悪く、すぐに剥がれてしまう

塗装ができない屋根材は、塗料との相性が悪く、塗料が密着しにくい性質があります。

無理に塗装を施しても、短期間で塗料が剥がれてしまい、かえって屋根の美観を損ねてしまう可能性があります。

屋根材と塗料の相性が悪く、変色や変形を引き起こす

屋根材によっては、塗料の影響を受けやすいものがあります。

特に樹脂製の屋根材は、塗料との相性が悪く、変色や変形に注意が必要です。

屋根材の通気性を損ない、結露やカビの発生を招く

塗装ができない屋根材の中には、通気性を確保するために特殊な構造を持つ製品があります。

無理に塗装を施すと、通気性が損なわれてしまい、屋根裏で結露やカビが生える可能性があります。

アスベスト含有屋根材の場合、塗装によってアスベストが飛散する危険性がある

アスベスト含有屋根材に塗装を施すと、塗装の過程でアスベストが飛散し、健康被害を引き起こす危険性があります。

アスベスト含有屋根材の塗装は、法律で禁止されています。

このように、塗装ができない屋根材に無理に塗装を施すことは、かえって屋根の状態を悪化させてしまう可能性があります。

したがって、塗装ができない屋根材の場合は、塗装以外のメンテナンス方法を検討する必要があります。

ノンアスベスト屋根材の特徴と劣化症状とは

近年では、アスベストの危険性が広く認識されるようになり、ノンアスベスト屋根材が主流になってきました。

以下では、代表的なノンアスベスト屋根材の特徴と劣化症状を詳しく解説します。

コロニアルNEOの特徴と劣化症状

コロニアルNEOは、セメント瓦の一種で、軽量で耐久性に優れています。

特徴としては、以下のような点が挙げられます。

  • 軽量で、施工性に優れている
  • 耐久性が高く、長期間使用できる
  • 多彩なデザインや色調が選べる

また、劣化症状としては、以下のような点が挙げられます。

  • 表面の剥がれや割れ
  • 色あせや汚れの付着
  • 苔やカビの発生

コロニアルNEOは、定期的なメンテナンスを行うことで、長期間使用することができます。

劣化症状が見られた場合は、早めに補修することが大切です。

パミールの特性と劣化症状

パミールはセメント瓦の一種で、高い耐風圧性能を持っています。

特徴としては、以下のような点が挙げられます。

  • 高い耐風圧性能を持ち、台風に強い
  • 軽量で、施工性に優れている
  • 耐久性が高く、長期間使用できる

また、劣化症状は以下の点です。

  • 表面の剥がれや割れ
  • 色あせや汚れの付着
  • 苔やカビの発生

パミールは、耐風圧性能に優れているため、台風の多い地域での使用に適しています。

ただし、定期的なメンテナンスは必要です。

グリシェイドNEOの特性と劣化症状

グリシェイドNEOは、セメント瓦の一種で高い遮熱性能を持っています。

特徴としては、以下のような点が挙げられます。

  • 高い遮熱性能を持ち、室内の温度上昇を抑える
  • 軽量で施工性に優れている
  • 耐久性が高く、長期間使用できる

劣化症状としては、以下のような点が挙げられます。

  • 表面の剥がれや割れ
  • 色あせや汚れの付着
  • 苔やカビの発生

グリシェイドNEOは遮熱性能に優れているため、夏場の室内温度上昇を抑えられます。

ただし、定期的なメンテナンスは必要です。

セキスイかわらUの特性と劣化症状

セキスイかわらUは、プラスチック瓦の一種で、軽量で耐久性に優れています。

特徴としては、以下のような点が挙げられます。

  • 軽量で、施工性に優れている
  • 耐久性が高く、長期間使用できる
  • 多彩なデザインや色調が選べる

劣化症状は、以下のような点が挙げられます。

  • 表面の剥がれや割れ
  • 変形や反り
  • 色あせや汚れの付着

セキスイかわらUは、プラスチック製のため、金属製の屋根材と比べて軽量で施工性に優れています。

ただし、強い衝撃を受けると、割れや変形する可能性があります。

ザルフグラッサの特徴と劣化症状

ザルフグラッサは、金属屋根材の一種で、高い耐食性を持っています。

特徴としては、以下のような点が挙げられます。

  • 高い耐食性を持ち、錆びにくい
  • 軽量で、施工性に優れている
  • モダンなデザインが特徴

劣化症状は、以下のような点が挙げられます。

  • 表面の腐食や変色
  • 塗装の剥がれや割れ
  • 継ぎ目部分のズレや隙間

ザルフグラッサは、耐食性に優れているため、沿岸部など塩害の影響を受けやすい地域での使用に適しています。

ただし、定期的なメンテナンスは必要です。

アーバニーの特性と劣化症状

アーバニーは、金属屋根材の一種で、高い意匠性を持っています。

特徴としては、以下のような点が挙げられます。

  • 高い意匠性を持ち、美しい外観が特徴
  • 軽量で、施工性に優れている
  • 耐久性が高く、長期間使用できる

劣化症状は、以下のような点が挙げられます。

  • 表面の腐食や変色
  • 塗装の剥がれや割れ
  • 継ぎ目部分のズレや隙間

アーバニーは、美しい外観が特徴の金属屋根材ですが、定期的なメンテナンスを行わないと、表面の腐食や塗装の劣化が進行します。

レサスの特性と劣化症状

レサスは、スレート屋根材の一種で、高い耐久性を持っています。

特徴としては、以下のような点が挙げられます。

  • 高い耐久性を持ち、長期間使用できる
  • 不燃材料で、火災に強い
  • シックなデザインが特徴

劣化症状としては、以下のような点が挙げられます。

  • 表面の剥がれや割れ
  • 色あせや汚れの付着
  • 苔やカビの発生

レサスは、高い耐久性を持つスレート屋根材ですが、経年劣化によって表面の剥がれや割れが発生することがあります。

定期的な点検と補修が必要です。

これらのノンアスベスト屋根材は、アスベスト含有屋根材と比べて安全性が高く、様々な特徴を持っています。

しかし、いずれの屋根材も経年劣化は避けられません。

定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことが、屋根の長寿命化につながります。

塗装ができない屋根材のメンテナンス方法

塗装できない屋根材の場合、以下のようなメンテナンス方法が考えられます。

  1. STEP

    高圧洗浄

    屋根の汚れ・苔・カビを高圧洗浄機で洗い流します。

    高圧洗浄は、屋根材の種類に応じて適切な圧力と洗浄剤を選ぶ必要があります。

  2. STEP

    部分補修

    屋根材の種類に合わせ、破損した部分を補修します。

    例えば金属屋根材であれば、錆びた部分を削り取って補修塗料を塗布します。

  3. STEP

    屋根材の交換

    劣化が進行し、部分補修では対応できない場合は、屋根材の交換を検討します。

    交換する場合は、既存の屋根材と同じ種類を選ぶことが一般的です。

塗装できない屋根材のメンテナンスは、屋根材の種類や劣化の程度によって異なります。

専門家に相談し、適切なメンテナンス方法を選ぶことが重要です。

また、定期的な点検を行い、劣化の兆候を早期に発見することも大切です。

工事費用を抑えるには?

屋根のメンテナンス工事の費用を抑えるためには、以下のような方法が考えられます。

定期的なメンテナンス

定期的な点検とメンテナンスを行うことで、屋根材の劣化を防げます。

その結果として、大規模な工事が必要になるまでの期間を延ばせます。

早期の補修を行う

劣化の兆候は、早期に発見することが大切です。

速やかに補修できれば、大規模な工事を避けることができます。

複数の業者から見積もりを取る

安価な業者であることが、必ずしも良い選択とは限りません。

複数の業者から見積もりを取れば、価格を比較することで適正な価格を把握できます。

工事費用を抑えることは重要ですが、安全性や工事の質を犠牲にしてはいけません。

信頼できる業者を選び、適正な価格で工事を依頼することが大切です。

まとめ

塗装できない屋根材には、アスベスト含有屋根材・金属屋根材・特殊な樹脂製屋根材などがあります。

これらの屋根材に無理に塗装を施すと、塗料の剥がれや屋根材の劣化を招く可能性があります。

塗装できない屋根材かどうかを判断するには、専門家による調査が必要な場合があります。

ノンアスベスト屋根材には、コロニアルNEO・パミール・グリシェイドNEOなどがあり、それぞれ特徴や劣化症状が異なります。

定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、これらの屋根材を長持ちさせることができます。

塗装できない屋根材のメンテナンス方法としては、高圧洗浄・部分補修・屋根材の交換などがあります。

メンテナンス方法は、屋根材の種類や劣化の程度によって異なるため、専門家に相談することが重要です。

また、工事費用を抑えるためには、定期的なメンテナンスや早期の補修が有効です。

複数の業者から見積の取得や価格を比較することも大切ですが、安全性や工事の質を犠牲にしてはいけません。

塗装できない屋根材も、適切なメンテナンスを行えば長持ちします。

専門家のアドバイスを参考に、自分の家の屋根に合ったメンテナンス方法を選び、定期的な点検と適切な処置で、大切な屋根を守りましょう。

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