外壁塗装や屋根塗装は、建物を雨漏りや浸水から守る重要な役割を果たします。なかでも防水塗料は、建物の保護と快適な生活環境の維持に欠かせません。
防水塗料の種類は多岐にわたり、ウレタンやシリコン、水性塗料などがあります。ベランダには高い防水性がある塗料を選ぶなど、使用場所や目的に応じて選ぶことが大切です。では防水塗料とは、どのような特徴があるのでしょうか?
本記事では、防水塗料の各種類の特徴や塗り替えにおすすめのタイミング、選び方や注意点を解説します。
安全で快適な建物を維持するには、外壁にあった塗料を選びと最適な防水塗装が重要です。
ぜひ、最後までお読みください。
目次
様々な種類がある防水塗料の主な特徴
防水塗料とは、水の浸入を強力に防ぎたい部分に使用する塗料であり、通常の塗料よりも耐水性が強く、浸水から建物を守る性能が高いことが特徴です。
防水塗料は、大きく分けて壁用塗料と床用塗料に分かれます。
壁用と床用の防水塗料は、ホームセンターやインターネットで個人が購入可能です。
なお、通常の塗装と異なり、防水塗装は建物の着色を目的としていないため、色のバリエーションは少ない傾向にあります。
外壁用防水塗料の種類は「弾性塗料」
防水塗料のなかでも、外壁に使用されるのは弾性塗料と呼ばれるものです。
弾性塗料は外壁を着色するだけではなく、通常の外壁塗料よりも防水性を長期間キープする効果があります。
外壁用防水塗料が通常の塗料よりも長期間防水性を維持できる理由は、乾燥後にゴムのように伸縮する特徴があるためです。
万が一壁や床にひび割れが生じても、水の浸入を防ぐことができます。
防水塗料と非防水塗料の違い
非防水塗料は弾力性がほとんどなく、時間が経つと剥がれやすいことが特徴です。
外壁のように、雨風にさらされ直射日光が当たる場所では、塗料が硬化してひび割れが生じることは避けられません。
一方、防水塗料(弾性塗料)は雨風にさらされる環境に適しているといえるでしょう。
なお、使う場所によっては非防水塗料にもメリットがあります。
日光や雨が当たる心配がないことを前提にすれば、通気性を重視する場所には最適な塗料です。
防水塗料の種類
防水塗料にはいくつかの種類があり、希望の仕上がりや機能性に合わせて選ぶことが大切です。
ここでは、防水塗料の種類、種類ごとの特徴を紹介します。
それぞれにメリットがあるため、自分の希望に合った塗料を決めましょう。
防水塗料の種類1.ウレタン
ウレタン塗料はポリウレタン樹脂を主原料とした種類で、防水性能が高く、様々な建築物に使用されています。
紫外線に強いこと、耐久性に優れていることも特徴です。
また、耐候性にも優れており、屋外での使用に適しているでしょう。
防水塗料の種類2.アクリル
アクリル塗料は水性塗料で、塗装後は表面がしっとりと美しい見た目に仕上がります。
水や気候変動に強く、外壁の腐食や劣化を防ぐことが可能です。
さらに、塗装が比較的行いやすく、乾きが早いため、工期を短縮できます。
防水塗料の種類3.シリコン
コストパフォーマンスが高く耐久性に優れ、仕上がり精度も高いため、選ばれることが多い塗料です。
ただし、他の種類と比較すると弾力性が低く、ひび割れている場合は不向きな場合があります。
防水塗料の種類4.フッ素
耐熱性・耐寒性・耐水性に優れている種類です。
耐久性が非常に高いため、大規模な建物に適しており、塗り替えなどのメンテナンスに使用されます。
外壁などへの長期塗装効果が評価され、最近では一般住宅にも使われ始めている種類です。
ただし、高価なことがデメリットです。
防水塗料を塗り替えるべきタイミング|種類によっても異なる
防水塗料は1度施工しても、永久的に防水機能が維持されるわけではありません。
通常の塗料と同じように、防水塗料も時間が経てば劣化するため、正しいタイミングで塗り替えを行う必要があります。
メンテナンスをしなければ、外壁がひび割れて水が浸入し、雨漏りにつながることもあるでしょう。
ここからは、防水塗装の塗り替え時期、タイミングの見極め方を紹介します。
防水塗料の塗り替えは5年に1回が目安
一般的に、FRP防水やウレタン防水の機能は長持ちします。
一方、防水層を保護するために表面に塗るトップコートは定期的にメンテナンスが必要です。
5~7年ごとにトップコートを塗り替えることで、雨漏りを防げるでしょう。
塗り替え目安となる劣化症状
トップコートのメンテナンスは、6年に1回程度行うことがおすすめです。
しかし、6年未満であっても、チョーキング、ひび割れのような劣化症状が現れ始めたら、防水塗料の塗り替えが必要です。
チョーキングとは、塗膜が劣化した状態であり、表面を触ると粉が付く状態を指します。
ひび割れは塗装が剝がれるだけではなく、ひび割れた部分から雨水が浸入しやすくなるため、早めに塗り替えましょう。
また、塗膜が浮いている劣化症状が出ている場合、放置すると塗膜の剥離につながるため注意が必要です。
劣化症状がどの程度進行しているのかによって必要な対策は異なり、素人では塗り替えが必要な症状を判断できないほか、見落とすこともあります。
劣化が進み、大規模なリフォームにならないよう、定期的にプロに点検してもらうとよいでしょう。
種類豊富な防水塗料の選び方
防水塗料は種類が多く、どれがよいのか迷ってしまう方もいるでしょう。
そこで、防水塗料の選び方のポイントを紹介します。
種類豊富な防水塗料の選び方.1建物に合う色
防水塗料は、外壁や屋根など目立つ部分に塗装することが多いため、自分の好きな色や建物の雰囲気に合う色を選びましょう。
防水塗料は色の種類が多いことから、好みに合った色を見つけられる可能性が高いです。
種類豊富な防水塗料の選び方.2塗装箇所のチェック
防水塗装をする面積に合った量を用意しなければなりません。
防水効果を持たせるためには、適量を塗って厚い塗膜を作る必要があるためです。
必要量は製品によって異なるため、塗装面積を把握し、予算に合う塗料を選びましょう。
種類豊富な防水塗料の選び方.3耐用年数と性能の確認
防水塗料の種類ごとに耐久性や性能が異なるため、耐用年数の事前確認が重要です。
基本的に、価格が安い防水塗料ほど耐用年数は短くなります。
建物の保護、コストパフォーマンスなど、長期的な視点で考えると、安すぎる塗料は選ばない方が無難です。
防水塗料を施工時の注意点|窯業系サイディングに適した種類とは
実際に施工をする前に、塗装回数を把握する、塗装できないケースを知っておく必要があります。
そこで、防水塗料を使用する際の注意点を見ていきましょう。
防水塗料を外壁に塗装する際の適した回数や工期とは
外壁塗装は、耐久性や防水性、塗料ごとの機能を最大限発揮させるため、三度塗りが基本です。
また、三度塗りすることで、塗りムラをなくし、綺麗に仕上がります。
防水塗装の工期は、約7日~14日が目安です。
二度塗りで済ませる手抜き工事や、塗料の乾燥を待たずに塗装をする悪徳業者に注意しましょう。
防水塗料で弾性塗料が適さないケース
防水効果がある弾性塗料ですが、外壁の素材によっては適さない場合もあります。
近年、住宅の外壁として使用されることが多い窯業系サイディングボードには使用しない方がよいでしょう。
窯業系サイディングは蓄熱性が高い素材で、水蒸気が発生する可能性があるためです。
弾性塗料は、蓄熱性の高い窯業系サイディングに塗ると、外壁が膨れる劣化が起こることがあります。
そのため、窯業系サイディングに防水性を持たせたい場合は、専門家に相談のうえ、塗料選びを慎重に行いましょう。
防水工事でよくある質問
Q
防水工事の種類にはどんなものがありますか?
A
主な防水工事の種類には、ウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水などがあります。それぞれの工法にはメリットとデメリットがあり、適した場所や耐用年数も異なります。
Q
防水工事の費用はどのくらいかかりますか?
A
工法や使用する材料、建物の状態によって異なりますが、一般的には1㎡あたり4,000円〜7,000円程度が相場です。
Q
工事の期間はどのくらいかかりますか?
A
工法や天候、建物の規模によりますが、通常は数日〜1週間程度で完了することが多いです。
Q
工事中の生活にどんな影響がありますか?
A
騒音や臭気が発生することがありますが、できるだけ負担を軽減するよう配慮しております。また、バルコニーや屋上の使用が一時的に制限されることがあります。
Q
防水工事のタイミングはいつが良いですか?
A
一般的には10年〜15年ごとに定期的なメンテナンスが推奨されています。また、ひび割れや雨漏りが発生した場合は早急に工事を行うことが重要です。
外壁に合う防水塗料の種類を選ぼう
防水効果がある弾性塗料は、ひび割れを防ぎ、雨水が外壁や建物に浸入も防ぐ効果が期待できます。
雨水の浸入を防ぐと、建物の寿命を延ばし、安心して住み続けられるでしょう。
防水塗料には複数の種類があり、特徴や注意点が異なります。
気になる塗料の種類を絞り、塗装業者に相談して決める方法が有効です。
防水塗料の効果を発揮させ、長持ちさせるためにも、優良業者を選ばなければなりません。
見積もり依頼や相談は1社のみではなく、必ず複数社に行い、価格や対応の質を比較しましょう。