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東京で小規模改修・修繕工事を行う際のポイントとは?大規模修繕との違いや業者選びも解説

東京では、高度経済成長期に建てられたマンションやビルが多く、老朽化が深刻な問題となっています。
建物の老朽化は美観を損なうだけでなく、雨漏りや設備の故障などを引き起こし、居住者の安全や快適な生活を脅かす可能性があり大変危険です。
また、近年頻発する地震への対策も重要な課題です。
建物の耐震性が低下している場合、地震による被害が大きくなる可能性があります。
このような背景から、建物を適切に維持・管理する重要性が高まっており、大規模な修繕工事だけでなく、必要に応じて部分的に行う小規模修繕への関心が高まっています。
小規模修繕を適切なタイミングで行うことで、建物の劣化を早期に食い止め、大規模な修繕工事が必要となる時期を先延ばしにすることも可能になるでしょう。
この記事では、建物の寿命を延ばし、資産価値の維持にもつながる小規模改修・修繕工事を行う際のポイントについて解説していきますので、ぜひ参考としてお役立てください。

小規模修繕で解決できることとは?

小規模修繕では、以下のような建物の劣化や不具合に対応できます。

雨漏り、水漏れ

雨漏りを放置すると、躯体や内装材に深刻なダメージを与え、建物の強度を低下させる可能性があります。
早期発見・早期対応が重要です。

外壁のひび割れ、塗装の剥がれ

外壁の劣化は、建物の美観を損なうだけでなく、防水性の低下にもつながります。
ひび割れから雨水が浸入すれば、内部の劣化を進行させる可能性も高くなってしまうでしょう。
資産価値にも影響するため、早めの対処が必要です。

共用部分の破損

廊下や階段の床、エントランスの破損などは、利用者の転倒事故に繋がりかねません。
安全確保のためにも、速やかな修繕が必要です。

設備の故障や老朽化

給水管や排水管の劣化は水漏れや詰まりの原因となり、電気系統の老朽化は火災のリスクも伴います。
定期的な点検と早めの交換が重要です。

小規模修繕と大規模修繕の違いとは?

小規模修繕と大規模修繕の大きな違いは、工事の規模や費用・実施タイミングです。

項目小規模修繕大規模修繕
工事の規模部分的な修繕工事建物全体の修繕工事
費用負担管理費修繕積立金
実施タイミング必要に応じて随時実施長期修繕計画に基づき、10~15年周期で実施
トイレの交換・壁紙の張替え・部分的な塗装工事・雨漏り修繕など外壁塗装・屋上防水・給排水管の更新・エレベーターの改修など

一般的に小規模修繕は比較的小規模な工事のため、費用も数万円から数十万円程度で済む場合がほとんどです。
対して大規模修繕は、建物の寿命を延ばすために必要な大掛かりな工事が必要となり、数百万円から数千万円規模の費用がかかることもあります。
また小規模修繕は、法定点検や日常的な点検で発見された不具合に対して、必要に応じて実施されます。
大規模修繕は、長期修繕計画に基づき、あらかじめ実施時期と内容が決められていることが大きく異なる点です。

【費用相場付き】東京のマンション・ビルによくある小規模修繕事例

東京でよく行われる小規模修繕の事例と費用相場を紹介します。
実際の費用は現地調査の結果や劣化度合い、使用する資材ごとに異なるため、必ず見積もりを取り内容について確認しておくことが重要です。

工事内容費用相場補足
トイレ改修5~15万円程度便器の交換、壁紙・床材の張替えなどを含む
フローリング工事10~30万円程度部屋の広さや使用する床材によって費用は変動する
オフィス原状回復工事5~20万円程度退去時の現状回復工事。内装の補修やクリーニングなどを含む
店舗原状回復工事10~50万円程度内装の解体や原状回復工事、看板の撤去などを含む
寮・社宅の原状回復工事3~10万円程度入居者の退去に伴う内装の補修やクリーニングなどを含む
スロープ改修10~50万円程度バリアフリー化のためのスロープ設置や改修工事
専用庭の地盤沈下補修工事10~50万円程度地盤沈下した箇所の補修や、沈下防止のための対策工事
バルコニー雨樋補修工事2~10万円程度破損した雨樋の交換や補修工事
隔て板の修繕5~15万円程度マンションのベランダなどを仕切る隔て板の交換や補修工事
店舗前床タイル補修工事5~20万円程度破損したタイルの交換や、タイル目地の補修工事

自分でできる?小規模修繕のDIY

費用を抑えるために、小規模修繕をDIYで行いたいとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
DIYは費用を抑えられるというメリットがある一方、以下のようなデメリットもあります。

技術や知識不足による失敗

専門知識がないままDIYを行うと、仕上がりが悪くなったり、かえって建物を傷つけてしまう可能性があります。
場合によっては、DIYした部分の修繕工事を行う必要が生じることも考えられるでしょう。

事故やケガのリスク

高所作業や電気工事など、危険を伴い資格が必要となる作業は専門業者に依頼する方が安全です。
大きな事故につながりかねないため、有資格者による作業が必要なものを確認しておきましょう。

保証がない

DIYで施工した場合、施工不良による不具合が発生しても、保証が受けられません。
またマンションやテナントビルなどでは共有部分に影響を及ぼす可能性があるため、あらかじめ管理組合や管理会社に問い合わせ、工事が可能かを確認しておく必要もあります。

DIYが向いているのは、壁紙の張替えや簡単な水栓交換など、比較的容易な工事です。
一方、電気工事や水道工事・ガス工事など専門知識や資格が必要な工事は、必ず専門業者に依頼しましょう。
またDIYを行う際は、事前に十分な知識を習得し、安全に配慮して作業することが重要です。

東京で小規模修繕を依頼できる会社の種類

東京で小規模修繕を依頼できる会社には、大きく分けて以下の3種類があります。

総合建設業者(ゼネコン)

大規模なビルやマンションの建設から、小規模修繕まで幅広く対応しています。
大企業が多く安心して工事を任せられるというメリットがある一方、費用が高額になりやすいというデメリットもあります。

マンション管理会社

マンションの管理業務を請け負っており、日常的な清掃や点検だけでなく、小規模修繕にも対応しています。
建物の構造や設備に精通しているというメリットがある一方、専門性の高い工事は下請け業者に依頼することも多く、費用が高くなる場合があります。

修繕工事専門会社

建物の修繕工事を専門に行う会社です。
小規模修繕から大規模修繕まで、幅広い工事に対応しています。
費用が比較的安く、スピーディーな対応が期待できるというメリットがある一方、会社によっては専門分野が限られている場合があります。

どの種類の会社に依頼するかは、工事の内容や規模・費用などを考慮して決定しましょう。

【東京編】小規模修繕を依頼する業者の選び方

数ある業者の中から適切な業者を選ぶことは、小規模修繕を成功させる上で非常に重要です。
東京で小規模修繕業者を選ぶ際には、以下のポイントを参考にしましょう。

実績豊富な会社を選ぶ

マンション・アパート、ビル、戸建て住宅など、さまざまな種類の建物に対応できる、実績豊富な会社を選びましょう。
ホームページなどで過去の施工事例を確認するのも有効です。
特に東京では、自然災害対策に強い会社を選ぶことが重要です。

口コミや評判をチェック

インターネットの口コミサイトや、近隣住民からの評判を参考に、信頼できる業者かどうかを見極めましょう。
東京は業者の数が多いため、口コミや評判は重要な情報源となります。

工事保証やアフターサービスを確認

施工後の保証期間やアフターサービスの内容を事前に確認しておきましょう。
優良な業者であれば、長期保証や定期点検などのアフターサービスを提供しているはずです。

複数の会社から見積もりをとって比較する

複数の会社に見積もりを依頼し、工事内容や費用を比較検討することで、悪徳業者に騙されるリスクを減らすことができます。
相見積もりは無料で行っている業者がほとんどなので、積極的に活用しましょう。

信頼できる担当者かどうか

見積もり時や現地調査の際に、担当者の対応や説明が丁寧かどうか、疑問点にきちんと答えてくれるかどうかをよく見極めましょう。
信頼できる担当者であれば、安心して工事を任せられます。

悪徳業者に騙されない!悪質業者の見分け方と対策

残念ながら、小規模修繕工事の分野では悪徳業者によるトラブルも発生しています。
悪徳業者は、以下のような手口で高額な工事費用を請求してくることがあります。

不必要な工事の提案

建物の構造や劣化状況について、専門用語を並べて不安を煽り、必要のない工事まで提案してくる場合があります。
わかりやすく納得できる説明を受けたうえで契約することが大切です。

高額な見積もり

工事内容や数量を水増ししたり、不明瞭な項目を設けることで、高額な見積もりを提示してくることもあります。
相見積もりを行い、工事箇所や費用が適正かを比較しましょう。

契約を急かす

悪徳業者は、施主が十分に判断できる情報を得る前に契約を急かしてくる傾向があります。
特に飛び込み訪問や電話勧誘ではその場で判断せず、業者の情報や工事の必要性などを十分検討したうえで依頼することが大切です。

手抜き工事

近年、安い費用を謳って契約を結んだ後、実際には手抜き工事を行い施工不良を引き起こす業者が問題になっています。
あらかじめ、業者の口コミや評判をチェックしておきましょう。

万が一、悪徳業者とのトラブルに巻き込まれてしまった場合は、一人で抱え込まず、すぐに専門機関に相談しましょう。
消費生活総合センターや国民生活センターなどが相談窓口となっています。

小規模修繕にかかる費用を抑えるには?

小規模修繕費用を抑えるためには、以下の方法があります。

複数社に見積もりを依頼する

複数の業者に見積もりを依頼し、価格競争を促すことで、費用を抑えることができます。
工事内容と費用・工期などを比較することで、適正な費用であるかどうかも把握できるでしょう。

自治体の補助金制度を活用する

各市区町村では、住宅のバリアフリー化や省エネ改修など、一定の条件を満たす小規模修繕工事に対して、補助金制度を設けています。
工事を行う前に、利用できる補助金がないか確認しておきましょう。

火災保険の適用範囲を確認する

火災保険によっては、風災や雹災など自然災害による住宅の破損を補償する範囲が含まれている場合があります。
思いがけず保険金を受け取れるケースもあるため、一度保険証券を確認してみましょう。

長期修繕計画と連携する

マンションの場合は、長期修繕計画で予定されている工事と小規模修繕をまとめて行うことで、足場設置費用などを削減できる場合があります。
まずは管理組合に相談してみましょう。

工事前の準備と流れ

小規模修繕工事を行う前に、近隣住民への配慮も大切です。
騒音や振動が発生する可能性がある場合は、事前に工事の内容や期間を説明し、理解と協力を得るようにしましょう。

工事までの流れ

  1. STEP

    問い合わせ

    修繕が必要な箇所や、希望する工事内容を業者に伝えます
    問い合わせ内容をもとに、現地調査を行う日時の調整を行いましょう

  2. STEP

    現地調査

    業者による現地調査を行い、具体的な工事内容や費用を算出します
    現地調査によって予定外の修繕箇所が見つかる場合もあるため、あらかじめそのような場合の対処も検討しておきましょう

  3. STEP

    見積もり

    現地調査の結果に基づいて、見積書を作成してもらいます
    基本的に相見積もりが行われ、要望に沿った最適な内容であるかが検討されます

  4. STEP

    契約

    見積もり内容に納得できれば、契約を締結します
    契約前に、必ず工事内容やアフターフォローなどの再確認をしておきましょう

  5. STEP

    近隣への挨拶

    工事開始前に居住者や近隣住民に挨拶を行い、工事内容や期間を説明します
    騒音や資材の搬入・搬出による人や車の出入りがあるため、求めに応じて説明が行われます

  6. STEP

    着工

    契約内容に基づいて、工事を開始します

  7. STEP

    完成

    工事が完了したら、施工箇所を確認します
    施工内容や場所の確認を行い、施工完了となります

  8. STEP

    アフターフォロー

    工事完了後も、定期点検や保証などのアフターフォローを受けられます

工事後の注意点

工事完了後も、以下の点に注意しましょう。

施工箇所の確認

工事完了後には業者と一緒に施工箇所を確認し、問題がないか確認しましょう。
問題があった場合は、速やかに対処してもらうことが大切です。

保証期間とアフターフォロー

保証期間中であれば、万が一施工不良などが発生した場合、無償で修理してもらえます。
また、定期点検などのアフターフォローも充実している業者を選ぶと安心です。

小規模改修でよくある質問

Q

小規模改修工事とはどのようなものですか?

A

小規模改修工事は、建物の一部を修繕・改善する工事で、外壁や内装の修理、設備の交換などが含まれます。

Q

小規模改修の 工事期間はどのくらいかかりますか?

A

工事の内容によりますが、数日から数週間が一般的です。

Q

小規模改修の工事中、住みながらでも問題ありませんか?

A

ほとんどの場合、住みながら工事が可能です。

Q

どのようなタイミングで小規模改修が必要ですか?

A

設備の老朽化や小さな破損を早めに修繕することで、大規模な工事を防げます。

Q

小規模改修・小規模修繕工事で補助金や助成金はありますか?

A

場合によっては小規模改修や修繕工事の補助金や助成金を県や市町村区が用意している場合があります。詳しくはお住まいの地域の行政ホームページなどで確認ができます。

まとめ

東京では、自然災害や経年劣化による建物へのダメージや老朽化が問題となっています。
建物を長持ちさせるためには、日頃から適切なメンテナンスを行い、住みよく安全な状態を保つことが重要です。
小規模修繕は、建物の劣化を早期に発見し、最小限の費用で修繕できる有効な手段です。
建物の状態を定期的にチェックし、必要に応じて小規模修繕を行うことで、建物の寿命を延ばし、安全で快適な居住空間を維持していきましょう。

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