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外壁のひび割れは何が原因?塗装などの補修方法や費用を紹介

外壁のクラックという言葉をご存知でしょうか?クラックとはひび割れのことで、これらの問題は大小に関わらず早急な対処が必要です。放置すると雨漏りや建物の構造的な問題につながる可能性があり、将来的に莫大な補修費用がかかる恐れがあります。

本記事では、外壁のひび割れの原因から適切な補修方法、さらには予防策まで詳しく解説します。ヒビの種類によって対処法が異なるため、状況に応じた最適な補修方法をご紹介します。また、外壁塗装との関連性や、ひび割れ補修にかかる費用の相場についても触れていきます。

外壁は家の顔であり、建物を守る重要な役割を果たします。ひび割れの早期発見と適切な対応が、長期的な住宅の維持につながります。この記事を参考に、外壁のヒビ割れ問題に正しく対処し、安全で美しい住まいを守りましょう。

外壁にひび割れが起こる原因

まずは、なぜ外壁にひび割れが入ってしまうのか、その原因について確認しておきましょう。
おもな原因は次の5つです。それぞれ確認していきましょう。

外壁塗装の経年劣化

外壁は風雨や紫外線に毎日さらされ続けることで劣化が進みます。長い年月が経つにつれて自然に劣化することを経年劣化と言います。

ひび割れも経年劣化のひとつです。

外壁塗装の施工不良

一般的に、外壁の塗装は10年ごとが適切と言われています。

もし、外壁塗装工事の完了後、数カ月や数年でひび割れが起きた場合には、工事業者の施工不良が原因の可能性が高いです。

施工不良の原因としては、施行内容の不備のケース、あるいは手抜き工事のケースが考えられます。

地震の揺れ

地震による揺れが原因となり、外壁にひび割れが入ってしまうこともよくあります。

この場合には、外壁の塗装部分だけではなく、構造体にまでひび割れが及んでいる可能性もあるので、建物全体の確認が必要です。

車や電車による振動

大型トラックや電車が通過すると振動が発生します。この振動は地面から周辺の建物に伝わります。大きな街道や線路がそばにある一戸建て住宅やマンション、アパートの場合は車や電車によって頻繁に振動しています。それにより、外壁にひび割れが生じてしまうこともまれに起きます。

建物の構造の問題

建物の構造問題は外壁にひびが入る要因の一つです。

地盤沈下や、施工不良による柱や基礎のズレなどで建物は傾きます。傾くことで表面の外壁塗装にひび割れが生じます。この場合、表面の損傷だけではなく、外壁自体も損傷していることが多く、内部に深いひびが入っている可能性が高いです。

外壁のひび割れの種類

外壁のひび割れの種類は、幅や深さ、外壁の素材によって、5つに分けられます。

それぞれ見ていきましょう。

外壁のひび割れの種類1.開口ラック

早急に処置が必要なひび割れ(クラック)です。

特徴:窓枠や扉などの開口部に発生し、斜めに亀裂が入る
原因:上下左右に力がかかりやすく、建物にかかる揺れなどで発生する
対策:雨水の通り道で、水が集まりやすいので、すぐに対処が必要

ひび割れの大きさに関わらず、すぐに業者に見てもらうべきひび割れです。

外壁のひび割れの種類2.構造ラック

発生してからある程度時間がたっているひび割れです。

特徴:幅0.3mm以上、深さ5mm以上のひび割れ
原因:地震による振動や、建物の構造的欠陥に由来する
対策:他にもひび割れしている可能性もあるので、応急措置をして、業者に見てもらう

建物の構造自体に、ひび割れの発生の原因があるケースが多いため、危険なので、速やかに点検や補修を行う必要があります。

外壁のひび割れの種類3.縁切れクラック

モルタルやコンクリートの外壁に多く見られる現象です。

特徴:「前に塗った部分」と「後から新たに塗った部分」の塗料のつなぎ目部分にひび割れが発生
原因:塗装工事が中断され、時間が経過して塗料の乾燥具合に差が出て、そこからひび割れの発生
対策:コーキング(シーリング)を用いて緊急的に補修し、業者に見てもらう

工事の途中や、終了後すぐに発見した場合には、業者に適正に対応してもらうのが最良です。

外壁のひび割れの種類4.ヘアークラック

髪の毛程度のひび割れのことです。

特徴:幅0.3mm以下、深さ4mm以下のひび割れ
原因:経年劣化や地震の揺れ、物がぶつかった衝撃で発生
対策:ひとまずは経過を観察でも大丈夫

放置しておくと、ひび割れが大きくなり、雨水の侵入にも繋がる可能性が高いので、ヘアークラックが起きた時点で、外壁塗装を行うのが理想的です。

外壁のひび割れの種類5.乾燥クラック

塗料の表面部分に発生しているひび割れです。

特徴:外壁材が乾燥する過程で、塗料に生じるひび割れ
原因:外壁材と上に塗った塗料の乾燥の速さの違いで発生
対策:対処の必要はない

補修などの必要はありませんが、どう対処するか判別がつかない時は、業者に点検をしてもらいましょう。

外壁のひび割れの応急措置の補修方法とは?

前章で紹介した「ヘアークラック」程度であれば、応急措置として、自分で補修できます。

それでは、どのように補修すればいいのか確認していきましょう。

外壁塗装でひび割れに重ね塗り

ヘアクラック程度のひび割れは、塗料を重ね塗りすることで補修できます。

ひび割れしている部分に「フィラー」と呼ばれる下地材を、はけでしっかりと埋め込みます。さらに中塗り、上塗りと仕上げ、ひびの跡が見えなくなるまで塗り重ねます。

これで、ひび割れの再発を防げます。

外壁のひび割れをセメントチョークで補修

細かな粉状のセメントをひび割れに塗り込んで、定着させる方法には2つあります。

その一つが、セメントチョークと呼ばれるものを、チョークで書くようにひび割れに詰め、手で丁寧に塗り込んでいく方法です。

少し圧力を加えないと壁に定着しないので、作業時間と結構な労力がかかります。

外壁のひび割れ部分をスプレー補修

もう一つの方法が、セメントの微細な粉をスプレーで吹き付ける方法です。

まずは、スプレーで水を塗布し、その後にセメントの粉をスプレーで塗りつけます。

作業は簡単で、あまり時間も必要はありませんが、スプレーが飛び散りやすく、セメントを無駄にしてしまう場合が多いです。

シーリング材を外壁のひび割れに注入

シーリング材と呼ばれる、目地や隙間などを埋めるのに使われる、合成樹脂や合成ゴム製のペーストを、ひび割れの部分に注入していきます。

コーキング材はゴムのように弾力があるため、外壁が動いてもクッションになり、さらに、密閉力もあるので、雨水などの侵入もしっかりと防いでくれます。

外壁のひび割れを早期に対応すべき理由

ひび割れは、大きさの大小を問わず、早期に発見して、できる限り早期に対応することが重要です。

タイミングを逃すと、大変なリスクを背負うことになってしまい、後悔することになりかねないので、注意が必要です。

それでは、どんなリスクが発生するのかを確認していきましょう。

外壁のひび割れから雨漏りにつながる

外壁のひび割れ部分から雨水が浸入してしまいます。
天井部分が常に水を含んでいる状態になると、室内まで雨漏りするリスクにつながります。

ひび割れから外壁内への湿気による影響が大きい

外壁のひび割れ部分から雨水が浸入すると、常に湿った状態が続くため、カビが発生しやすい環境になります。さらに、雨水が構造体まで浸透してしまうと、白アリも発生しやすくなります。
カビは、体内にカビ菌を取り込んでしまうと、感染症やアレルギーなどを引き落とし、最悪の場合、命に危険を及ぼします。
白アリは、建物の強度を減らしてしまい、倒壊のリスクを引き起こします。

外壁のひび割れで建物自体の耐久性が弱まる

ひび割れの放置は建物の劣化を進ませます。下地部分が腐食していき、建物の耐久性が減少していきます。

外壁のひび割れ補修にかかる費用の相場

外壁のひび割れを業者に頼んだ場合、費用がどのくらい掛かるのかは、やはり気になりますよね。

ここでは、外壁のひび割れを補修する場合の相場を確認しておきましょう。

外壁の劣化症状単価の相場費用の相場
外壁のひび割れ1平方メートルで約1,700~2,500円足場なし:1~5万円
足場あり:1~50万円

価格は、ひび割れの規模や状況、さらに、足場を組み必要があるかないかによって変わってくるので、事前の業者への確認が必須です。

外壁は定期的にひび割れを防ぐメンテナンスをしよう!

建物は常に紫外線や風雨、気温の変化、地震など自然環境からのダメージを受けています。

外壁の塗装も同様です。外壁塗装は外壁自体を守るだけではなく、建物の劣化を防ぐ役割もあります。したがって定期的な点検とメンテナンスの実施がおすすめです。

外壁の塗装に変化はないか、ひび割れが発生していないかをチェックする習慣をもちましょう。

また、外壁塗装の塗り替えは10〜15年ごとの実施が推奨されています。

DIYで外壁の割れを補修するには?難しい場合は専門業者が一番

外壁の割れを見つけた際、早急に補修を行うことが建物の劣化を防ぐ重要なポイントです。小さな割れであれば、DIYでの補修も可能ですが、割れの原因や状態によっては専門業者に依頼する方が安心です。ここでは、DIYでの補修方法と、業者に依頼すべきケースについて解説します。

DIYでの補修方法

DIYで補修できるのは、主にヘアクラック(幅0.3mm以下の細かいひび割れ)など、建物構造に影響を及ぼさない軽微な割れです。以下の手順で補修を行うことができます。

  1. 汚れを取り除く
    割れ部分に付着した汚れやホコリをブラシや水でしっかり除去します。清潔な状態にすることで、補修材の密着度が高まります。
  2. 補修材を準備する
    外壁用のシーリング材や補修用パテを使用します。市販されているもので簡単に使えるチューブタイプがおすすめです。
  3. 割れに補修材を充填する
    シーリング材やパテを割れた部分に均等に埋め込みます。ヘラや指を使って表面を滑らかに整え、塗装しやすい状態に仕上げます。
  4. 乾燥させて塗装する
    補修材が完全に乾燥したら、外壁の色に合わせて塗装を行います。塗料は防水性や耐候性のあるものを選ぶと、仕上がりが長持ちします。

専門業者に依頼すべきケース

DIYでは対応が難しいケースも多く、以下の場合は専門業者に相談するのが最適です。

  1. 幅が広い割れや深いひび割れ
    幅が0.3mm以上の割れ(構造クラック)は、建物の構造に影響を及ぼしている可能性があります。この場合、内部の状態を確認し、適切な補修が必要です。
  2. 水漏れや剥がれが発生している場合
    割れが原因で雨水が浸入している場合は、防水処理が欠かせません。放置するとカビや内部劣化につながるため、早めの対応が求められます。
  3. 外壁材が特殊な場合
    モルタル、タイル、サイディングなど、外壁材によって適した補修方法が異なります。専門業者はそれぞれの材質に合わせた補修技術を持っています。
  4. 仕上がりの美観を重視する場合
    自分で補修すると、色ムラや仕上がりの粗さが目立つことがあります。美観を保ちたい場合は、プロに任せるのが確実です。

外壁ひび割れがあればまず業者に外壁を見てもらおう!

外壁にひび割れを見つけた際、補修の判断ができない場合は、専門業者に一度点検してもらいましょう。ひび割れが一カ所発生している場合、その他の見えない場所にもひび割れが発生している可能性が高いからです。

そして、業者を選ぶ際に大事なことは、信頼出来る業者を選ぶことです。

ポイントとしては、以下の3点に注意しましょう。

  • 丁寧でつわかりやすく、見積もりや工事内容について説明をしてくれるか
  • 保証がきちんとしているか
  • 地域で信頼されていて、実績があるか

新築時や、前回の塗装時の業者を選ぶことも大事です。安心して長く住むために、信頼できる業者をしっかりと選ぶことが肝要です。

外壁のひび割れについてまとめ

外壁のひび割れは重大な問題を引き起こしかねない、建物からのサインなので、見過ごさないようにしましょう。

建物の老朽化を進行させる場合もあるので、早めに業者に依頼して確認してもらうのがおすすめです。

深刻な割れや美観が気になる場合はプロの技術が必要です。迷った際は、まず専門業者に相談し、建物の安全と美しさを確保しましょう。

この記事を参考にして、外壁の点検・メンテナンスを行ってください。

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