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修繕積立金とは?マンションの修繕積立金と管理費の違いや相場を解説

マンションに住む場合、修繕積立金が必要になります。

修繕積立金は、マンションを快適活安全に保つための大切な費用です。

しかし、修繕積立金とは何に使用するお金なのか、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

そこで、マンションの修繕積立金の相場について解説します。

修繕積立金とは?

修繕積立金とは、マンションを維持するための費用です。

マンションの長期修繕計画を基に積み立てる修繕積立金は、修繕工事に使用します。

最初に、修繕積立金とは何かについて確認しておきましょう。

長期修繕計画とは

長期修繕計画とは、マンションの具体的な修繕計画のことです。

マンションは年月が経つにつれて徐々に老朽化が進み、性能も下がります。

居住者が長く快適に住み続けられるように、管理組合は長期修繕計画に基づいてマンションの修繕を行わなければなりません。

修繕計画通りに修繕を行うために必要な資金が修繕積立金です。

修繕積立金はなぜ必要なのか

マンションはコンクリート製で、一般的な住宅よりも耐久性に優れています。

しかし、直射日光や雨風に長年さらされれば、徐々に劣化します。

マンションは建物としての規模が大きく、短い期間で工事をすることは難しいでしょう。

そのため、あらかじめ長期修繕計画を立て、計画に沿って修繕を進める必要があります。

また、建物の老朽化に伴い、修繕工事は所有者の自己負担で行わなければなりません。

大規模修繕工事は数年に1度行われますが、多額の資金が必要です。

マンションなど大規模な建物の修繕工事は、数百万円から数千万円かかることもあります。

所有者全員で費用を分担するとしても、1度に集めるのは難しい場合が多いです。

そこで、修繕が必要になった場合に備えて、修繕積立金として積み立てています。

修繕積立金により、マンションオーナーの負担を軽減しているのです。

管理費と修繕積立金の違い

マンションの管理費と修繕積立金は、いずれもマンションの維持や管理をするために必要ですが、用途は少し異なります。

管理費は、日々の清掃や共用部分の水道光熱費、快適な生活を送るための小規模な修繕など、普段の管理業務に使用されるお金です。

日々の管理業務を管理会社に委託する場合も、管理費の大部分を占めます。

一方、修繕積立金は、外壁塗装や給排水管工事など、安全で快適な生活を維持する目的の「計画的な大規模修繕工事」と、事故や災害による「想定外の大規模修繕工事」に使われることが特徴です。

マンションの修繕積立金の相場は?

マンションを購入すると、住宅ローンのほかに毎月の管理費や修繕積立金がかかります。

マンションの修繕積立金の平均は、12,000円程度です。

修繕積立金がいくらなのか不安になる、毎月の出費なので安く抑えたいと考える方も多いかもしれません。

安ければ月々の支払いも安心ですが、修繕積立金が安い場合には後に金額が増える可能性があります。

マンションの修繕積立金が増える原因

マンションの修繕積立金は、生涯一定金額で固定されるわけではありません。

次に、修繕積立金が増える主な原因を紹介します。

修繕費そのものの上昇

円安や社会情勢の変化などにより、住宅建設コストは近年上昇傾向にあります。

海外から住宅設備を輸送する物流コストも上昇しており、建設現場で作業員が不足すれば、人件費も上昇しやすいです。

同じ修繕工事であっても、費用が増える可能性が高いことを念頭に置いておきましょう。

計画外修繕の追加

多くの物件では、30年以上の長期修繕計画が立てられます。

結果、交換用の材料や部品が手に入らず、計画した修繕をやり直さなければならなくなったり、15年は維持できるはずの外壁が地域の気候の影響により早めに完成したりと、計画外の修繕が発生している状況です。

また、人件費も増えるかもしれません。

計画的な修繕計画では工事が必要になると、予備費だけでは賄えないこともあるでしょう。

結果、修繕積立金が増加する可能性があります。

空室による収入の減少

マンションの管理組合は、入居者から受け取る管理費に基づいて修繕積立金を積み立てています。

しかし、マンションが空室になると管理費が減少します。

つまり、空室が発生するということは、新たな入居者が決まるまでの修繕積立金が減少するのです。

空室が発生する理由には、以下のようなことが挙げられます。

  • 物件の老朽化
  • 設備の不具合
  • 管理組合の運営の影響

マンションは入居者からの評判や口コミが重要であり、入居者が住み続けたくなるような管理をすることが大切です。

また、空室が発生しても修繕積立金を減少させずに維持する場合、入居者以外からの収入を得る方法もあります。

例えば、マンション内に居住スペース以外に飲食店や小売店のスペースを設置すれば、入居者以外からも収益を得られるでしょう。

そのため、空室の影響を抑えながら修繕資金を確保できます。

初期設定金額が安い

家を買いたい人が気になることのひとつに、ランニングコストがあります。

売る側のランニングコストを抑える方法として、初期修繕費や積立金を低く設定している物件も多いです。

しかし、長く住んでいて何度も管理費や修繕積立金の値上げを経験するケースもあります。

区分所有者が値上げを拒否しても、マンションに住む大多数の人が「値上げはやむを得ない」と判断すれば、値上げを拒否できません。

値上げがなければ、将来の修繕積立金が減少し、耐久性に関わる工事が必要な時に修繕ができなくなる可能性があります。

どちらのケースも、居住者にとってはプラスにならないでしょう。

長期修繕計画の内容が適切かどうか、長期的に修繕積立金の額がどのように推移していくのか、注意深く見ていく必要があります。

管理費・修繕積立金の適正額の設定方法

新築時から管理費や修繕積立金の見直しをしていない場合、払いすぎている可能性があります。

単に価格を下げるだけでは、将来必要な修繕ができなくなるリスクを先送りするだけなため、価格を下げることが最優先ではありません。

将来を見据えて、適切に金額を見直すことが大切です。

そこで、修繕積立金の額を見直す方法を解説します。

専門家に対等な立場で適正額を見積もりしてもらう

見積書を出してもらっても専門用語が多用されていると、マンション建築の知識がないとすべてを理解することは難しいものです。

工事見積額が相場より高くても、気づかないこともあります。

特に管理会社にすべてを任せてしまうと、いくつかの業者に見積もりを出してもらっても、結果的に割高になってしまう可能性があります。

相場より高くなったとしても、価格を下げることは難しいでしょう。

適正な価格で工事を発注すれば、管理費・修繕積立金を適正額に抑えることができます。

そのため、専門家に対等な立場から見積りをしてもらうことが大切です。

外注費の見直しを提案

管理費の大半は外注費として利用されいるため、外注費を削減できれば管理費も削減できます。

外注費の主なものは次のとおりです。

  • 管理費
  • 清掃費
  • 定期点検費
  • 警備費
  • 管理人の人件費

管理人の業務内容や勤務時間を変更することで、人件費を削減し、外注費を削減できます。

また、委託先を変更することもコスト削減の有効な手段です。

複数社から見積もりを取れば、価格を下げて案件を獲得するケースがあり、現在の外注先が値下げしてくれる可能性もあります。

外注費を削減し、管理費を現状より削減することも可能です。

管理費・修繕積立金が適正額が確認しよう

管理費・修繕積立金は、安心・安全なマンションに住むために必要なものであり、安ければ良いというものではありません。

リスクを先送りするのではなく、適切な金額を再考することも重要です。

しかし、管理組合にとって管理費や修繕積立金の見直しは簡単な作業ではありません。

無駄な費用をかけないためにも、専門業者に工事内容・時期・見積もりが適正かどうかを判断してもらい、管理費・修繕積立金を再確認しましょう。

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