築15年を経ての外壁塗装、費用と重要な考慮点をわかりやすく解説します。適切な塗装選択から工事の流れまで、家を長持ちさせるための貴重な情報をお伝えします。
目次
築15年経過の家の現状把握
家を建てて15年。
「そろそろ外壁の汚れが気になる」と考えている方もいるのではないでしょうか。
ここでは劣化した外壁に修繕を施す外壁塗装の必要性や、築15年が経過した家の外壁はどのような現状・劣化状況かを解説していきます。
また「我が家も築15年経過したけど、外壁塗装が必要かわからない」という方に向けて外壁の劣化状況を見極めるポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
外壁塗装の必要性
外壁塗装には外観を保ったり、家の資産価値を維持させたりする効果が期待できます。
またそのほかにも、外壁塗装の必要性としては次のものが挙げられるでしょう。
- 建物の保護と耐久性の向上
- 防水効果の向上
- 修繕の予防
- コスト削減
外壁塗装には上で紹介したような「外観を保つ」「資産価値の維持」以外にも、紫外線や雨風、汚染物質などの外的要因から家を守る役割を持っています。
しかし、外壁が劣化するとこれらのダメージから家を保護する耐久性や防水性などが低下する可能性が考えられるため、適切なタイミングでの外壁塗装が必要となります。
また、外壁の劣化をそのまま放置しているとひび割れや塗膜が剥がれるなどのトラブルも生じる可能性があるでしょう。
劣化をそのまま放置していると、結果的に修繕にかかる期間や費用に影響を与えます。
適切な時期に外壁塗装を施すことによって、外壁塗装にかかるコスト削減にも繋がるでしょう。
築15年経過の家の外壁の現状
外壁塗装塗装の必要性を学んだ後は、今回のタイトル「築15年が経過した家の外壁はどのような現状なのか」について解説していきます。
築15年の家の外壁の劣化状況
外壁の劣化状況は、日常的な家の管理具合や家が建っている地域の気候条件によっても異なります。
基本的に、家が建ってから8年〜10年で一度外壁塗装が必要とされるケースが多く、築15年が経過している家となると、劣化状況も進んでいると考えられるでしょう。
では、外壁にはどのような劣化状況が考えられるかを次の4つから推測します。
- 色あせや変色
- 外壁のひびや塗膜剥がれ
- カビやコケの発生
- 雨漏りや湿気の増加
「そろそろ外壁塗装しないとかな」と感じる状況として最も多いのは外壁の色あせや変色です。
目で見てわかる劣化状況なので、外観の美しさを保つために外壁塗装を検討する方もいます。
次に、外壁にひび割れやできていたり、塗膜が剥がれていたりするのを目にした際も、外壁が劣化して補修を必要としているサインと言えるでしょう。
またカビやコケが発生したり、家の中で雨漏りや湿気が増加したりする場合、外壁の劣化が進んでおり、なるべく早い時点で外壁塗装を施す必要があります。
家の劣化は建てられたその日から徐々に進んでいます。
たとえ、目視では確認できない劣化でも、そのまま放置していけば多大な費用と期間を必要とする大規模な外壁修繕になるケースもありますので、注意が必要です。
劣化状況を見極めるポイント
家の劣化はなるべく早く食い止める必要があります。
そこで、ここでは劣化状況を見極めるポイントを6つ紹介します。
- 色あせ・変色がある
- ひび割れている部分があるorひび割れが進行している
- 外壁を手で触れると粉のようなものが付着する(チョーキング)
- 外壁のところどころにある塗膜の剥がれ
- 金属部分にサビが発生している
- 家の外壁にコケ・カビが発生している
外壁に色あせや変色が起こる理由として最も多いのは「太陽光や紫外線の影響」です。
外壁は日々太陽光や紫外線にさらされ続けているので、時間経過で色あせや変色が起こります。
色あせや変色した外壁は、色合いがくすんで見えることがあります。
次にひび割れ。
これは、上でも挙げた紫外線などの影響によって温度や湿度が変化することで、外壁が収縮・膨張して外壁にひび割れが発生しているケースが多いです。
とくにコンクリート外壁や、水とセメントと砂を混ぜ合わせて作られるモルタルを使用した外壁だとひび割れが顕著に出やすくなります。
それ以外の外壁であっても使用されている塗料の塗膜が経年劣化を起こすことで、ひび割れが生じやすくなると考えられるでしょう。
次にチョーキング。
チョーキングとは「白亜化現象」と呼ばれるもので、外壁を指や手で触れた際に白い粉がつくことを言います。この粉は雨や紫外線によって塗料に含まれる合成樹脂が分解されて起こります。
チョーキングは塗膜に劣化が起きているサインです。
この状態を放置すると雨漏りや、コケやカビが発生する要因を作ってしまうなど、家が本来持っている耐久性や防水性へ大きく影響を与えます。
激しい劣化を防ぐためにも、なるべく早い時点で外壁塗装を施す必要があります。
次に外壁の塗膜剥がれ。
理由はさまざまですが、特に多いのは塗膜の劣化でしょう。
塗膜が劣化すると、外壁に密着しなくなり、剥がれや剥離が生じることがあります。
次はサビ。
外壁で鉄が使用されている部位があれば経年劣化によって錆が発生しやすくなります。
サビは、鉄が酸素や水と反応してできるので、、酸素と水分(雨や湿度)が存在する環境であればどうしてもできやすくなるのです。
サビはそのまま放置していると美観や耐久性に影響を及ぼしますので注意が必要です。
最後にコケやカビ。
こちらは家が経っている周囲の環境や、外壁の汚れや塵埃が原因で起こりやすくなります。
家の周囲に植物や木が密集していたり、海がある環境だったりする場合は湿気や潮によって発生しやすくなるでしょう。
加えて、外壁に汚れや塵埃が付着した状態のまま放置していると、そこに湿気が加わることでコケやカビの発生が促進されます。長年外壁のメンテナンスをおこなっていない場合は注意が必要です。
ここで挙げた6つのポイントには、紹介した以外にも何らかの理由によって発生している外壁の劣化状況を進めることがあります。一つの参考としてご自宅の劣化状況を比べてみましょう。
築15年経過の外壁塗装のタイミング
ここまでの内容を含め、築15年が経過した家の外壁塗装を施すタイミングをまとめます。
- 外壁に色あせや変色が発生している
- 外壁にひび割れやコケ・カビが発生している
- 外壁に触れると白い粉が付着する(チョーキング)
- 外壁の塗膜部分に剥がれが発生している
- 最近雨漏りし始めた
- 家の中にいると外よりも湿気が多い気がするなど
この中で特に気になるのはひび割れ。
目視の状態でも「これは大丈夫か?」「地震が来たら崩れてしまうのでは」と心配ですよね。
ひび割れに関しては幅が0.3mm以内でしたら経過観察でも良いと考えられています。
一方、0.3mm以上のひび割れが生じている場合はなるべく早く外壁塗装の検討をお勧めします。
しかし、築15年経過している時点でまだ一度も外壁塗装を施した経験がない家の場合は少しでも「あれ?」と思った点があれば外壁塗装の専門家や業者に相談してみると良いでしょう。
外壁塗装の種類と特性
ここからは外壁塗装を実際に施すor業者へ依頼する際に覚えておきたい情報を紹介します。
塗料の種類と特性
外壁塗装に使用される塗料には複数の種類があります。
種類によって価格や、特性も変わるので家の外壁塗装に適した塗料を選ぶことが大切です。
ここでは、外壁塗装で使用される塗料を3種類紹介します。
塗料の種類 | シリコン系塗料 | フッ素系塗料 | アクリル系塗料 |
---|---|---|---|
主成分 | シリコン | 合成樹脂 | アクリル樹脂 |
特性 | ・耐熱性・耐候性 ・耐水性・防汚性 | ・非粘着性 ・耐薬品性 ・低摩擦性 ・耐候性 | ・透湿性 ・色彩安定性 ・施工性が比較的容易 |
耐用年数 | 約8年〜12年 | 約15年〜20年 | 約3年〜5年 |
料金相場※(1㎡あたり) | 1,600円〜3,500円 | 3,000円〜5,000円 | 1,000円〜2,000円 |
適している外壁 | ・高温にさらされやすい ・外観の美観を重要視している ・雨風が多い地域 | ・家のサイズが大きい ・外観の美観を重要視している ・塵埃や排気ガスが付着しやすい | ・DIYで外壁塗装を考えている ・湿気が多い環境 ・重ね塗りしたい |
適していない外壁 | ・モルタル ・家のサイズが大きい ・振動が多い環境など | ・モルタル ・サイディングなど | ・紫外線にさらされやすい環境 ・1度の塗装で長期間性能を維持したい ・振動が多い地域など |
詳細 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
※料金相場は当編集部独自の調査に基づいて算出されたものです。
※塗料の料金は、依頼する外壁塗装業者によって異なります。
シリコン系塗料
シリコン系塗料とは、主成分の合成樹脂にシリコンが含まれている塗料です。
耐候性や耐久性、防汚性にも優れているので汚れが目立ちやすい外壁に適しています。
料金相場は外壁塗装業者によって差があるものの、フッ素系塗料と比べると安価で耐用年数も約8年〜12年と長期的に外壁を保護できる部類に入るでしょう。
ただし、シリコン系塗料には次のようなデメリットもあります。
- 重ね塗りには不向き
- 塗料のグレードによってはひび割れしやすい
- 密着性が低い
シリコン系塗料は塗膜が固めかつ撥水性があるので、重ね塗りには不向きです。
加えて、シリコン系塗料は塗布後であればそれなりに柔らかさのある塗膜になりますが、10年程度経過すると塗膜が固まり、地震等の大きな力が加わるとひび割れしやすくなる可能性があります。
そして撥水性に秀でているデメリットとしてもう一つ「密着性が低い」というものも挙げられます。
こちらもひび割れの原因として考えられますが、グレードによってはひび割れしにくいシリコン系塗料もありますので、シリコン系塗料=必ずひび割れしやすいとは言いきれないでしょう。
塗料の種類 | シリコン系塗料 |
---|---|
主成分 | 合成樹脂+シリコン |
特性 | ・耐熱性 ・耐候性 ・耐水性 ・防汚性 |
耐用年数 | 約8年〜12年 |
料金相場※ (1㎡あたり) | 1,600円〜3,500円 |
適している外壁 | ・高温にさらされやすい ・外観の美観を重要視している ・雨風が多い地域 |
適していない外壁 | ・モルタル ・家のサイズが大きい ・振動が多い環境など |
フッ素系塗料
フッ素系塗料とは、主成分の合成樹脂にフッ素が含まれている塗料です。
フッ素系塗料は耐候性はもちろん、耐薬品性に優れています。
中でも塵埃や車の排気ガスなどによる汚れにも強いので、車が家の横を通る環境にある外壁や、外観の美しさを重視したい方におすすめです。
料金相場は外壁塗装業者によって異なるものの、1㎡あたり3,000円〜5,000円。
上で紹介したシリコン系塗料と比較すると高めですが、耐用年数は約15年〜20年と「料金はある程度高くても耐用年数の長さを塗料に求める」方に最適と言えるでしょう。
また耐用年数が長いということは、メンテナンスなど外壁塗装後にかかるコストを削減できるため、トータルコストの良さにも魅力があります。
一方、フッ素系塗料のデメリットは次のとおりです。
- モルタルやサイディングの素材には適していない
- 塗膜が固い
- 需要と供給が少ない場合もある
フッ素系塗料は、モルタルやサイディングなどのひび割れしやすい素材には適していません。
また、今回紹介している塗料の中でも特に塗膜が固い塗料なので、外壁が何らかの原因によってひび割れするのと同じように塗膜もひび割れしやすいという点がデメリットでしょう。
加えて、フッ素系塗料は他の塗料と比べて需要と供給が少ない点もデメリットです。
外壁塗装業者の中には取り扱っていないと答える業者もいます。
またDIYで使用するとしても、成形が難しいなど初めて塗料を扱う方にとっては難易度が高い塗料でもあるので、フッ素系塗料を使用して外壁塗装を施したい場合は、事前に専門家へ相談したり、フッ素系塗料を取り扱っている業者へ依頼したりすることをお勧めします。
塗料の種類 | フッ素系塗料 |
---|---|
主成分 | 合成樹脂+フッ素 |
特性 | ・非粘着性 ・耐薬品性 ・低摩擦性 ・耐候性 |
耐用年数 | 約15年〜20年 |
料金相場※(1㎡あたり) | 3,000円〜5,000円 |
適している外壁 | ・家のサイズが大きい ・外観の美観を重要視している ・塵埃や排気ガスが付着しやすい |
適していない外壁 | ・モルタル ・サイディングなど |
アクリル系塗料
アクリル系塗料とは、主成分の合成樹脂にアクリルが含まれている塗料です。
以前は家の屋根や外壁塗装に使用されることも多い塗料でしたが、シリコン系塗料やフッ素塗料が出現したことにより、使用されることも少なくなってきています。
アクリル系塗料は透湿性に優れているので湿気が多い環境に適した塗料です。
加えて水性塗料ならのでニオイが少なく、30分程度乾燥させれば触れても大丈夫なので施工性の容易さが魅力と言えるでしょう。
その他にも、アクリル系塗料は色彩の安定性も魅力で日光や気候、環境の変化による色あせが少ないので、長期間美観を保ちたいと考えている方におすすめの塗料となっています。
一方、アクリル系塗料のデメリットは次のとおりです。
- 紫外線に弱い
- 耐用年数が短め
- ひび割れしやすい
アクリル系塗料は紫外線に弱く塗装から数年で色褪せや変色が起きやすい点がデメリットです。
また耐用年数も約3年〜5年と他の塗料と比較してもメンテナンス間隔が短くなります。
その他にも、一般的なアクリル系塗料に含まれている可塑剤(かそざい)と呼ばれる素材が、数年で自然に失われてしまうので、ひび割れのしやすさもデメリットとして挙げられるでしょう。
この可塑剤には材料に柔軟性と弾性を与える効果が期待できるもので、可塑剤が失われて塗料は固く振動が多い地域や地震によってひび割れしやすくなります。
価格の安さは魅力ですが、長期的なトータルコストで見ると予想以上に価格がかかってしまうケースも多いので、1度の塗装で長期間性能を維持したい方には不向きな塗料です。
塗料の種類 | アクリル系塗料 |
---|---|
主成分 | 合成樹脂+アクリル樹脂 |
特性 | ・透湿性 ・色彩安定性 ・施工性が比較的容易 |
耐用年数 | 約3年〜5年 |
料金相場※(1㎡あたり) | 1,000円〜2,000円 |
適している外壁 | ・DIYで外壁塗装を考えている ・湿気が多い環境 ・重ね塗りしたい |
適していない外壁 | ・紫外線にさらされやすい環境 ・1度の塗装で長期間性能を維持したい ・振動が多い地域など |
各塗料の適用状況
ここでは、どのような状況にそれぞれの塗料が適しているかをまとめてみました。
塗料の種類 | シリコン系塗料 | フッ素系塗料 | アクリル系塗料 |
---|---|---|---|
適用状況 | ・料金と耐用年数のバランスの良さを求める ・高温や紫外線にさらされやすい環境での使用 ・外観の美観も維持したい | ・家のサイズが大きい ・塵埃や排気ガスが外壁に付着しやすい環境 ・美観を維持しつつ耐用年数は長めを求めている | ・なるべく料金は安めを求める ・DIYで外壁塗装がしたい ・湿気が多い環境 |
塗料選びのポイント
次は塗料選びのポイントを6つ紹介します。
- 目的で選ぶ
- 地域の環境で選ぶ
- 予算で選ぶ
- 機能性で選ぶ
- メンテナンスサイクルで選ぶ
- どうしても選べない方は「シリコン系塗料」がおすすめ
塗料選びのポイントは上の6つです。
1つ目の目的とは「外壁塗装の修繕」や「外壁の色を変えたい」など、なぜ外壁塗装をしようと思い立ったのか、その理由を指します。
2つ目の地域の環境とは「紫外線にさらされやすい」「湿気が多い」などお住まいの地域環境によって適した塗料を選ぶことで外壁や家の寿命、外観の維持などさまざまなメリットが得られます。
3つ目の予算とは、塗料によって料金は異なるので「なるべく安い塗料が良い」「お金は多少かかっても良い」など、あらかじめ予算を決めておいて塗料選びをする方が効率的です。
4つ目の機能性とは「耐熱性」「耐候性」「防汚性」などご自身が外壁に求める機能性を指します。
地域によって適した塗料を選ぶことが大切です。
5つ目のメンテナンスサイクルとは、塗料によって耐用年数が異なるため「なるべくメンテナンスの回数を減らしたい」「メンテナンスサイクルのスパンは短めでも構わない」など、ご自身がイメージするメンテナンスサイクルはどの位か、によって塗料をえらびましょう。
最後に、ご自身ではどの塗料が良いか選べないという方は「シリコン系塗料」がおすすめです。
シリコン系塗料は建築塗料市場で約80%のシェアを誇るスタンダードな塗料となっています。
耐用年数は約8年〜12年で特性や価格のバランスも良く、塗料に特別なこだわりがない限り、シリコン系塗料を勧める外壁塗装業者も多いです。
また自分ではどうしても選べないという方は外壁塗装業者や専門家に相談したり、インターネット上で外壁塗装に関する情報を掲載しているサイト、口コミをチェックしてみたりしましょう。
外壁塗装の費用とその内訳
次は外壁塗装の費用と、その内訳について解説します。
これから外壁塗装を業者へ依頼しようと考えている方は、これから紹介する費用を参考にして業者を選んでみてくださいね。
外壁塗装の平均費用
当編集部が独自に調査したところ、外壁塗装の平均費用は約80万円〜となっています。
しかし、実際に外壁塗装でどの位の価格がかかるかは5つの要素によって異なります。
また外壁塗装を請け負う業者によって価格には差が生じますので、まずは一括見積もりをおこなって各業者の価格や費用の内訳を吟味して選ぶことが大切です。
費用の内訳
ここでは外壁塗装にかかる費用の内訳を見ていきます。
外壁塗装にかかる費用は次のとおり。
- 塗料費用
- 工事費用
- その他費用
それぞれ詳しく紹介します。
塗料費用
塗料費用とは、本記事でも紹介した「シリコン系塗料」や「フッ素系塗料」「アクリル系塗料」などの塗料にかかる費用です。
それぞれの料金相場をチェックしたい方は、次の表を参考にしてください。
塗料の種類 | シリコン系塗料 | フッ素系塗料 | アクリル系塗料 |
---|---|---|---|
料金相場※(1㎡あたり) | 1,600円〜3,500円 | 3,000円〜5,000円 | 1,000円〜2,000円 |
最も価格が安いのはアクリル系塗料の1㎡あたり1,000円〜2,000円です。
そして最も価格が高いのはフッ素系塗料の1㎡あたり3,000円〜5,000円。
価格の違いとしては機能性やグレードが異なる点が挙げられます。
また、本記事で紹介している塗料以外にも「ウレタン塗料」などの種類を取り扱っている外壁塗装業者もありますので、一度塗装業者や専門家に相談してみても良いでしょう。
工事費用
工事費用には次のものが含まれます。
- 人件費
- 足場代
人件費とは現場で働く作業員や作業を監督する業者にかかる費用です。
人件費は「作業時間」「作業人数」「作業範囲」「職人の技術レベル」などを考慮して算出されることが多いので、工事内容が多岐に渡る場合や大規模な外壁塗装の場合は費用も自ずと高くなります。
次に、大規模な外壁塗装を施工する場合は足場に関する費用もかかります。
足場にかかる費用には、「足場を設置する費用」「足場の運搬費用」「足場の組み立て費用」「足場を解体する費用」も必要です。
加えて、足場を組み立てるためには「足場の組み立て等責任作業者」という国家資格を持った人員を配置する必要もあるので、足場に関する費用と人件費を併せて全体の約20〜30%を占めます。
その他の費用
その他の費用には次のものが含まれます。
- 現場管理費用
- 資材費用
- 廃材処理費用
- 付帯工事費用
現場管理費用とは、外壁塗装工事を施工する際の現場を管理するためにかかる費用です。
作業員の給料や交通費、工事に対する保険、そして現場に設置する事務所の事務用品も該当します。
次に資材費用とは外壁塗装工事に必要な工具や養生テープ、養生シートなどが該当します。
そして廃材処理費用はその名のとおり、外壁塗装工事で出た廃材を処理する費用です。
最後に付帯工事費用とは、建設業法で定められている工事のことで「主たる建設工事を施工するために必要な他の従たる建設工事」「主たる建設工事の施工により生じた他の従たる建設工事」です。
※国土交通省のガイドライン「建設業許可事務ガイドラインについて」 出典:国土交通省
外壁塗装工事の付帯工事には「外壁のひびわれ修復」や「コーキング」が該当します。
付帯工事費用は、外壁塗工事にかかる費用とは別途でかかるのでしっかりと覚えておきましょう。
費用を抑える方法
外壁塗装工事の費用をなるべく抑えたい、そうお考えの方は以下の方法を試してみてください。
- 使用する塗料の見直し・選定
- 工事期間の選定
- 複数の業者で見積もりを比較
外壁塗装に使用する塗料はそれぞれ価格が異なります。
なるべく費用を抑えたいと考えるならば、最低限必要な機能性などを考慮して改めて適切な塗料を選ぶことが大切です。
しかし、安ければその分「紫外線に弱い」「耐用年数が短い」などのリスクも伴います。
そのほかにも、1回の外壁塗装工事で見れば安くても、メンテナンスサイクルや、耐用年数など全体的なコストを見ると高い可能性もあるので、専門家や業者と相談してみましょう。
次に、工事期間の選定です。
外壁塗装工事には需要が高い時期と低い時期があります。
一般的に外壁塗装工事の需要が高まる時期は「春」と「秋」です。
気温や天候が安定している時間帯が多く、工事がスムーズに進めやすい時期と考えられています。
一方、夏や冬など気温や天候の変化が激しい時期は外壁塗装工事には不向きです。
雨や雷、雪で工事が中断したり、塗料の乾燥に影響を及ぼしたりするからです。
しかし、この需要が低い時期であれば費用を抑えて外壁塗装工事を施工できる可能性があります。
近年は、需要が低くなる時期を狙って外壁塗装工事を依頼する方も増えているので「需要が低い時期=満足の行く外壁塗装工事ができない」というわけではありません。
どのような時期であれ、信頼できる外壁塗装業者や専門家と相談して万全の体制を取れば大きなリスクが発生する可能性は低いので、まずは「相談」「見積もり」が大切です。
最後に、外壁塗装業者へ見積もりを取る際は「一括見積り」がおすすめです。
業者ごとの価格が比較できる以外にも、見積書に記載されている内訳の詳細や工事を施工する際の流れなど実際に話を聞いて、質問をおこなって信頼できる業者かを見極めることもできます。
一括見積もりサイトには、嘘の見積もりを提出して集客を狙う外壁塗装業者がいる可能性も。
そのため、まずは複数の業者で一括見積もりを取った後、専門家を交えて吟味しましょう。
外壁塗装の工事フロー
次は外壁塗装の工事フローを解説していきます。
工事前の準備
まずは工事前の準備です。
外壁塗装工事をスムーズに進めるために次のポイントを意識しましょう。
- 複数の業者へ一括見積もり
- 信頼できる業者と外壁塗装工事の流れを確認
- 外壁塗装工事を施工する周辺の環境を整える
- 近隣住民への挨拶
- 費用の支払い
- 塗装前の家を写真撮影する
外壁塗装工事を業者へ依頼する際は、複数の業者への一括見積もりからスタートです。
そして信頼できる業者が見つかったら、見積もりや計画書を参考に工事の流れを確認しましょう。
次に外壁塗装工事を施工する周辺の環境を整えてスムーズに工事が開始できるようにします。
- 車の移動
- 洗濯を干すスペースの確保
- 壊れては困るものを移動させる
- プランターなどがあれば移動させる
上で紹介したものは業者からお願いされるケースも多いので忘れずに準備しておいてください。
また、とても大切にしているもので移動が難しいものがあれば業者に伝えておきましょう。
次は近隣住民への挨拶です。
外壁塗装工事には近隣住民とのトラブルも報告されるケースが多いです。
たとえば次のような近隣住民からのクレームがトラブルに発展する場合が考えられます。
- 足場の設置や解体音がうるさい
- 塗料や汚れが近隣住民の家や洗濯物に付着した
- 塗料のニオイが「くさい」
このようなリスクを避けるためにも、事前に近隣住民へ挨拶しておくことが大切です。
また挨拶の際、粗品を持って近隣住民へ伺うのが一般的で、粗品には「石鹸」や「タオル」が多く採用されています。
近隣住民への挨拶を済ませたら費用の支払いです。
費用をいつ支払うかは業者によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。
そして最後に、塗装前の家、外壁を写真撮影します。
これは施工後「変化がない」「色ムラがある」などのトラブルが起きた際、業者に対して提出することでトラブルを避けるために有効です。
ここまでのポイントを意識して工事前の準備を進めていきましょう。
工事の流れ
次は工事の流れを見ていきます。
打ち合わせと見積もり
上で紹介したとおり、複数の業者から一括見積もりを取って依頼したい業者と外壁塗装工事に関する打ち合わせです。
ここで外壁塗装工事に関する疑問や不安、見積もりに関して気になる点があればしっかりと質問しておきましょう。
作業の開始
契約が完了したら作業の開始です。
作業中は、現場周辺に関係のない方が入らないよう注意してください。
また定期的に工事の工程をチェックして予定よりも作業が遅れていないかなど進捗を業者から受けたり、ご自身で確認したりすることも必要となります。
作業の完了とチェック
作業が完了したら、施工前後をチェックします。
問題がなければここで工事完了です。
もし「変化がない」など問題が起きた場合は改めて業者と話し合いましょう。
また、工事後に問題が発生した場合でも、保証期間内であれば再度やり直しをしてもらえる可能性があります。もしもの場合に備えて保証は契約時にチェックしておいてください。
工事完了後のメンテナンス
外壁塗装後のメンテナンスは、使用する塗料などによって異なります。
一般的に外壁塗装のメンテナンスは10年ごととされているので、この時期を目安にメンテナンスをおこなうと良いでしょう。
また外壁や家の健康を守るためには、経常修繕のように、日常的な清掃や点検も欠かさないようにしてください。
適切な外壁塗装業者の選び方
「外壁塗装工事を業者に依頼したいけれど、どうやって選べば良い?」
そうお悩みの方へ。ここでは適切な外壁塗装業者の選び方を紹介します。
業者選びのポイント
外壁塗装業者選びのポイントは次のとおりです。
- 外壁塗装実績は豊富か
- 外壁塗装に関する資格を保有しているか
- 業者は保険へ加入しているか
- 保証期間や保証内容
外壁塗装は職人の技術レベルや知恵・実績の有無が重要です。
特に使用する塗料によっては取り扱いが難しいものもあるため、外壁塗装件数が多くインターネット上の口コミも高評価が多い業者を選ぶと良いでしょう。
次に、外壁塗装に関する資格を保有しているかもチェックする必要があります。
たとえば、「塗装技能士」や「建設業許可」など外壁塗装に関する資格を持っている業者は外壁塗装やその周辺工事に関わる知識や実績が豊富です。
そのほかにも、労働災害や施工不良によるリスクに対する保険へ加入しているか、という点や保証期間や保証内容は納得の行くものであるかもチェックすることをお勧めします。
信頼できる業者の見極め方
外壁塗装業者選びのポイントのまとめとして「信頼できる業者の見極め方」は次のとおりです。
- 実績
- 口コミ
- 資格
- 見積書の内容が詳細でわかりやすく記載されている
- 実際に打ち合わせをした際の対応・態度
外壁塗装業者とひとえに言っても非常に数多くの業者がいます。
信頼できる業者を見極めるためには「実績」や実際に工事を依頼した方の口コミが重要です。
また作業を担当する業者が保有している資格や、見積書が初心者でも理解できるよう詳細かつわかりやすく記載されている場合も、依頼者へ思いやりを持った業者だと言えるでしょう。
そのほかにも、実際に打ち合わせをした際に「質問はございませんか?」など、依頼者が納得行くまで話を聞き、外壁塗装工事に関する流れを丁寧に説明してくれる業者も信頼できます。
見積もりの比較と選定
最後に、一括見積もりを取った後はしっかりと比較してから選定へ移りましょう。
「ここが安いからここに依頼しようかな」など価格だけで判断すると施工不良や工事後にミスが発覚した際、保証が利用できなかったり、追加費用が発生するケースも考えられるでしょう。
また見積もりを比較する際は専門家に相談して適切な見積もりであるかをチェックしてもらうことで依頼者にとって不利な条件での契約を回避できます。ぜひ一度相談してみてください。
まとめ
本記事では築15年が経過した外壁塗装の費用を紹介しました。
初めて外壁塗装を業者へ依頼する際は「どうしたら良いだろう」と悩んでしまう方も多いでしょう。
そんなときは本記事で解説した情報を基に、工事前から工事後までスムーズに進められるよう事前準備と業者や塗料の選定をしっかりとおこなって工事に備えてくださいね。