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防水工事における下地処理とは?工程や十分でないと起こる弊害を徹底解説!

防水工事では防水層を形成する前に、下地処理と呼ばれる作業を行います。

下地処理は下地調整・素地調整とも呼ばれており、防水工事を行う上で非常に重要な作業です。

下地処理が十分でないと、建物に様々な弊害を引き起こしてしまいます。

そこで今回は防水工事における下地処理とはどのようなものかについて解説していきます。

防水工事における下地処理とは?

防水工事における下地とは、建物に元々存在している素地、または防水層のことを指します。

防水塗料や防水シートなどの防水機能の要となる工法を施工する前に、下地の状態を整える工程を下地処理と呼びます。

下地処理は防水処理を行う際に、防水面と密着・接着させるのが主な目的です。

床や外壁の下地面は、下地処理を行わないと劣化しやすい状態の場合があり、防水工事を行ってもすぐに雨漏りを起こしてしまう可能性があります。

下地処理は防水工事の効果を高める・維持するために必要な処理だと言えます。

防水工事の下地処理の工程

防水工事の下地処理と一言で言っても様々な作業を行う必要があります。

具体的には以下のような工程を行います。

  1. 高圧洗浄
  2. 既存の防水層撤去
  3. ケレン
  4. 目地処理
  5. クラック処理
  6. ノロ引き

それぞれの工程を詳しく見ていきましょう。

1.高圧洗浄

防水工事の下地処理を施工する際に、最初に行うのが高圧洗浄です。

高圧洗浄では、高圧洗浄機を利用して防水面に付着している砂・ホコリ・コケ・カビなどの汚れを落としていきます。

汚れが付着した状態では、下地処理をしても隙間が空いてしまい、十分な防水効果を発揮することができません。

密着した汚れは簡単には落ちないので、丁寧に洗浄することが重要なポイントです。

2.既存の防水層撤去

防水層の劣化度合いや防水工事の工法によっては、既存の防水層の撤去作業が必要です。

防水層の撤去作業は手で行うことが多いです。

現在では防水層の劣化している部分だけを取り除き、新たな防水層を重ねていく「かぶせ工法」が主流となっています。

かぶせ工法の場合、全ての防水層を除去する必要はありません。

3.ケレン

既存の防水層撤去が完了したら、続いてはケレンを行ってきます。

ケレンとはスクレーパーなどを使用し、下地を研磨・目粗しを行う作業です。

目粗しにはあえて細かな傷をつけることで、塗料や防水層の密着性を高めるという目的があります。

ケレンも高圧洗浄同様、防水工事の下地処理において重要な作業だと言えるでしょう。

4.目地処理

ケレンが完了したら、次に行うのが目地処理です。

目地処理とは資材の接合部分にできる継ぎ目にシーリング材を埋め込むことによって、資材と資材の隙間を埋める作業を指します。

屋上などに用いられることの多いモルタルには、緩衝目地が存在します。

緩衝目地があることによって、温度変化によってモルタルが膨張・収縮した時にヒビが入らないようにする効果があるのです。

古い目地を撤去しないまま防水工事を行ってしまうと、経年劣化でヒビ割れが起こり、雨漏りの原因になってしまいます。

5.クラック処理

ケレンが完了したら、続いてはクラック処理を行っていきます。

クラックとは、建物に生じるヒビ割れ・亀裂のことです。。クラックにはいくつか種類があります。

  • 構造クラック:建物の安全性に影響を及ぼす
  • 開口クラック:窓・扉などの開口部周りに発生するクラック
  • 縁切れクラック:地震などで資材の接合部分などに発生するクラック
  • ヘアークラック:髪の毛程度に小さいクラック
  • 乾燥クラック:モルタルが完全に乾燥する前に、水分が蒸発することによって発生するクラック

ヘアクラック程度であれば問題ありませんが、0.3mm以上のクラックは早急な補修が必要です。

クラックを放置してしまうと防水層を破談させてしまい、雨漏りの原因となります。

クラック処理ではVカット・Uカットと呼ばれる手法でクラック周辺を削り、コーキング材を流し込んで防水処理を行います。

6.ノロ引き

クラック処理が完了したら、続いて行うのがノロ引きです。

ノロ引きとは、セメント・樹脂・水を混ぜて作った樹脂ノロを、下地に塗布していく作業を指します。

下地の劣化が激しい場合や既存の防水層と新たな防水層の相性によっては、下地を整えるためのノロ引きが必要です。

ノロ引きでは、樹脂ノロに硅砂を混ぜた樹脂モルタルが使用される場合もあります。

防水工事の下地処理が十分でないと起こる弊害

防水工事において下地処理は、非常に重要な工程です。

ここでは防水工事の下地処理が十分でないと起こる弊害について解説していきます。

具体的には以下のような弊害が発生するリスクがあります。

  • 防水シートなどの剥がれ
  • 雨漏りの発生
  • カビの発生
  • 内壁・構造部の腐食

弊害①:防水シートなどの剥がれ

防水工事の下地処理が十分でないと起こる弊害、1つ目は防水シートなどの剥がれです。

防水工事で用いられることの多いシート防水の場合、十分な下地処理を行わないと、施工後に防水シートが剥がれてしまうなどのトラブルが発生するリスクがあります。

また防水塗装を施工した場合でも下地処理が不足していると、台風・雨などですぐに塗膜が剥がれてしまい、防水機能が極端に低下してしまいます。

そうなると再度防水工事を行わなければならず、莫大な費用を支払うことになるでしょう。

弊害②:雨漏りの発生

防水工事の下地処理が十分でないと起こる弊害、2つ目は雨漏りの発生です。

下地処理が十分でないと防水シート・塗膜の剥がれを起こし、その後に雨漏りが発生します。

雨水は下地同士の継ぎ目やヒビ割れから室内に侵入して、建物全体に染み込んでいってしまいます。

そうなると建物の寿命を縮めるだけでなく、日常生活にも支障をきたすでしょう。

弊害③:カビの発生

防水工事の下地処理が十分でないと起こる弊害、3つ目はカビの発生です。

雨漏りを引き起こし、雨水が建物に染み込んでしまうと、カビが発生してしまいます。

カビが発生すると住民の健康被害を引き起こす可能性があるので、早急な対処が必要です。

カビが発生するほど下地処理が雑だと、その上から防水工事を施しても、すぐに雨漏りが発生する可能性があります。

そのため防水工事だけでなく、下地調査・下地処理も同時に発注するのが良いでしょう。

弊害④:内壁・構造部の腐食

防水工事の下地処理が十分でないと起こる弊害、4つ目は内壁・構造部の腐食です。

雑な下地処理が引き起こした雨漏り・カビの発生を放置してしまうと、その影響は建物の内壁・構造部にも現れます。

構造部まで腐食が進行してしまうと、建物にダメージを与え、寿命を大幅に縮めてしまいます。

カビが発生した時点で対処する人が多いですが、その前の段階で早めに対処しましょう。

まとめ

今回は防水工事における下地処理とはどのようなものかについて解説してきました。

本記事のまとめ

  • 下地処理とは防水機能の要となる工法を施工する前に、下地の状態を整える工程を指す
  • 下地処理には防水面と密着・接着させるという目的がある
  • 下地処理の中にも様々な工程がある
  • 下地処理を十分に行わないと雨漏り・建物の腐食などの弊害が起こる可能性がある

防水工事では工法などが注目されがちですが、下地処理は防水工事の効果を120%引き出すための非常に重要な作業です。

下地処理は防水面と密着・接着させることを目的に行われます。

下地処理を十分に行わないと雨漏り・建物の腐食などの弊害を引き起こしてしまうため注意が必要です。

もし防水工事を行ったにも関わらず、短期間で雨漏りを繰り返している場合は、下地調査・下地処理を含めた防水工事の発注をおすすめします。

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