下地補修”爆裂” 千葉県
2021/04/10
コンクリートの爆裂、放置は危険!原因と下地補修の方法、リスクまで徹底解説
建物の外壁やベランダなどで、コンクリートが部分的に浮き上がり、剥がれ落ちそうになっているのを見たことはありませんか?これは「爆裂」と呼ばれる劣化現象で、建物の美観を損なうだけでなく、放置すると深刻な問題を引き起こす可能性があります。爆裂は、内部の鉄筋の錆びなどが原因で発生し、進行するとコンクリート片の落下事故や建物の耐久性低下につながります。
この記事では、コンクリート爆裂が発生する原因から、具体的な下地補修の方法、そして放置した場合のリスクについて、分かりやすく解説します。
コンクリート爆裂とは?主な原因を知る
コンクリートの「爆裂(ばくれつ)」とは、コンクリート内部の圧力によって表面が押し出され、ひび割れたり欠け落ちたりする劣化現象を指します。まるで内部から爆ぜるように壊れることから、この名前が付けられました。
主に鉄筋コンクリート構造物に見られ、外壁、柱、梁、ベランダの軒天、床、橋梁など、様々な箇所で発生する可能性があります。
この爆裂が発生する背景には、いくつかの代表的な原因が存在します。それぞれのメカニズムを理解することが、適切な対策や補修に繋がります。
鉄筋の錆びと膨張:
コンクリート内部の鉄筋は、通常アルカリ性の環境に守られていますが、経年劣化やひび割れから侵入した水分や二酸化炭素によって中性化が進むと、錆びやすくなります。
鉄筋は錆びると体積が膨張(約2.5倍とも言われる)し、その圧力で周囲のコンクリートを内側から押し出すように破壊します。これが爆裂の最も一般的な原因です。
コンクリートの中性化:
大気中の二酸化炭素がコンクリート内部に浸透し、本来アルカリ性であるコンクリートを中性に近づける現象です。
中性化が鉄筋の位置まで達すると、鉄筋を保護するアルカリ性の膜(不動態皮膜)が破壊され、錆びが発生しやすい環境になります。
塩害:
海岸近くの建物や、凍結防止剤が散布される地域の構造物などで見られる原因です。
コンクリートに塩化物イオンが侵入すると、中性化が進行していなくても鉄筋の錆びを誘発・促進させます。
凍害:
コンクリート内部に侵入した水分が、寒冷地などで凍結と融解を繰り返すことによって発生します。
水は凍ると体積が増加するため、その圧力でコンクリートにひび割れが生じたり、劣化が進行したりします。特に表面近くで爆裂を引き起こすことがあります。
これらの原因は複合的に作用することもあります。建物の立地条件や築年数、メンテナンス状況などを考慮し、劣化の兆候を見逃さないことが重要です。
放置は禁物!爆裂が引き起こす深刻なリスク
コンクリートの爆裂は、見た目の問題だけでなく、放置すると様々な深刻なリスクを引き起こす可能性があります。小さなひび割れや浮きだからと油断していると、後々大きなトラブルや費用の増大につながることも少なくありません。爆裂を放置することの危険性を具体的に見ていきましょう。
コンクリート片の落下事故:
爆裂によって浮き上がったコンクリート片が、ある日突然剥がれ落ちる危険性があります。
落下したコンクリート片が通行人や下の階の住人に当たれば、重大な人身事故につながる恐れがあります。また、駐車している車などを損傷させる物損事故のリスクも伴います。
雨水の浸入とさらなる劣化:
爆裂箇所やその周辺のひび割れは、雨水の浸入口となります。コンクリート内部に水が浸入すると、鉄筋の錆びをさらに加速させ、爆裂の範囲を拡大させます。
内部の鉄筋腐食が進行すると、建物の構造的な強度が低下する原因にもなります。浸入した水が室内への漏水を引き起こす可能性もあります。
建物の構造的な強度低下:
鉄筋はコンクリート構造物の骨組みとして、引張力に対する強度を担っています。
爆裂によって鉄筋が錆び、腐食が進行すると、鉄筋自体の断面積が減少し、本来の強度を発揮できなくなります。
広範囲に爆裂が進行した場合、建物全体の耐久性や耐震性に影響を及ぼす可能性があります。
資産価値の低下:
爆裂が多数発生している建物は、外観上の問題はもちろん、構造的な問題を抱えていると見なされ、不動産としての資産価値が大きく低下します。
売却や賃貸に出す際に不利になるだけでなく、金融機関からの評価にも影響する場合があります。
補修費用の増大:
爆裂は初期段階で対処すれば、比較的簡単な補修で済むケースが多いです。
しかし、放置して劣化が進行すると、補修範囲が広がり、鉄筋の交換や大規模なはつり作業が必要になるなど、工事が大掛かりになり、結果的に補修費用が高額になります。
これらのリスクを回避するためにも、爆裂を発見した場合は、決して放置せず、できるだけ早い段階で専門家による診断と適切な処置を行うことが極めて重要です。
プロが行う爆裂の下地補修|具体的な手順とポイント
コンクリートの爆裂を発見した場合、その進行を食い止め、建物の安全性と耐久性を回復させるためには、適切な下地補修が不可欠です。
DIYでの補修も考えられますが、原因の特定や確実な処置、再発防止のためには、専門業者による施工が推奨されます。ここでは、プロが行う一般的な爆裂の下地補修の手順と、その際の重要なポイントを解説します。
- 調査・診断
まず、爆裂の範囲、深さ、原因(中性化の進行度、鉄筋の錆び具合など)を詳細に調査します。打診調査や、必要に応じてコア抜き調査などが行われます。
この診断結果に基づき、最適な補修方法と使用材料を選定します。
- 劣化部分の除去(はつり作業)
爆裂している箇所や、浮いているコンクリート、脆弱な部分をハンマーや電動工具などを使って丁寧に取り除きます。
内部の劣化したコンクリートや錆びている鉄筋が露出するまで、健全なコンクリート層に達するまで除去することが重要です。除去が不十分だと再発の原因となります。
- 鉄筋の錆び落とし・防錆処理
露出した鉄筋の錆びを、ワイヤーブラシやケレン道具などを用いて丁寧に除去します。
錆びを除去した後、鉄筋の再度の腐食を防ぐために、専用の防錆材(錆転換剤や防錆プライマーなど)を塗布します。この処理が、補修後の耐久性を左右する重要なポイントです。
- プライマー塗布
新しく充填する補修材(断面修復材)と既存のコンクリートとの密着性を高めるために、接着プライマーをはつり面に塗布します。
プライマーの種類は、使用する断面修復材や下地の状態に合わせて選定されます。
- 断面修復材の充填
ポリマーセメントモルタルやエポキシ樹脂モルタルなどの断面修復材を、除去した部分に充填・成形します。
空隙ができないように、しっかりと圧力をかけながら充填することが重要です。
- 表面仕上げ・塗装
断面修復材が硬化したら、必要に応じてサンダーなどで表面を平滑に調整します。
最後に、周囲の色や質感に合わせて、塗装や左官仕上げなどを行い、補修箇所を目立たなくします。防水性や美観を回復させる重要な工程です。
これらの工程は、一見単純に見えますが、各段階で専門的な知識と技術が要求されます。特に、劣化状況の正確な診断、適切な材料選定、丁寧な下地処理(錆び落とし、防錆処理)が、補修の品質と長期的な耐久性を確保する上で極めて重要です。
まとめ:早期発見と適切な下地補修で建物の安全と資産価値を守る
この記事では、コンクリートの爆裂現象について、その発生原因から放置するリスク、そして専門業者による具体的な下地補修の手順までを解説してきました。
- 爆裂の原因: 主にコンクリートの中性化や塩害、凍害などによって内部の鉄筋が錆び、膨張することで発生します。
- 放置のリスク: コンクリート片の落下事故、雨水浸入によるさらなる劣化、建物の強度低下、資産価値の減少、補修費用の増大など、深刻な問題につながる可能性があります。
- 下地補修の重要性: 爆裂を発見した場合、放置せずに早期に適切な処置を行うことが、建物の安全性を確保し、長期的な耐久性を維持するために不可欠です。
- 補修の手順: 専門業者による補修では、劣化部の除去、鉄筋の防錆処理、プライマー塗布、断面修復材の充填、表面仕上げといった工程を経て、確実に劣化の進行を止め、元の状態に近づけます。
コンクリートの爆裂は、建物のSOSサインです。小さな兆候を見逃さず、もし発見した場合は、自己判断で放置したり、不適切な処置を施したりせず、信頼できる専門業者に相談することをおすすめします。早期発見と適切な下地補修によって、建物の安全性を守り、大切な資産価値を維持することにつながります。定期的な点検とメンテナンスを心がけ、建物の健康状態を把握しておくことも重要です。
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